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強制パーティ結成! 賢者の無茶振りと箱の中の少女

木箱の中から「ガタガタ、ガタガタ」と激しい震動音が響く中、賢者バドは悠然と椅子に座り直しました。


「……さて、ヒルダ、ミィアよ。お前さんたち、今は暇をしておるんじゃろう?」


バドの言葉に、ヒルダは居住まいを正しました。

「暇というわけではありませんが……王都への帰還途中に『森の異変』を調査する任務を帯びております。先ほどのあの子……鈴殿の力がその原因だというのなら、報告義務がありますが……」


「報告など不要じゃ。その代わり、お前さんたちに頼みがある」


バドはニヤリと笑い、震える木箱を指差しました。


「鈴を連れて、旅に出ろ。この子を一人前の冒険者……いや、『人混みでも失神しない程度』に鍛え上げてやってほしいんじゃ」


「「えええええっ!?」」


ヒルダとミィアの驚愕の声が重なりました。同時に、木箱の中から「ヒィッ!?」という短い悲鳴と、さらに激しい震動音が響きます。


「無理ニャ! あの子、僕たちが一歩近づいただけで消えるか飛ぶかするんだニャ! 旅なんて成立しないニャ!」

「左様ですバド様! 彼女の能力は確かに目を見張るものがありますが、これほど精神的に不安定では……」


「だからこそじゃ。ヒルダ、お前さんのその真面目すぎる性格と、ミィアの野性味。それが鈴の『人見知り』には良い薬になる。……それにのぅ」


バドは少し声を低くして続けました。


「あの子の力は、放っておけばいずれ災いを呼ぶ。誰かが側にいて、その力を正しい方向へ……いや、『逃げる方向』以外にも使えるようにしてやらねばならんのじゃ」


バドの真剣な眼差しに、ヒルダは沈黙しました。騎士としての正義感が、目の前の震える少女を見捨てられないと告げていました。


「……承知いたしました。バド様のご依頼とあらば。……鈴殿、聞こえますか? 私が命に代えて、貴女の旅路を守り抜きましょう」


ヒルダが木箱に向かって騎士の礼を捧げた瞬間、鈴の頭の中に無慈悲な通知が響きます。


> 【絶世の人見知り】強制発動!!

> 対象:「仲間」候補(2名)

> 逃げ場のないパーティ結成を検知。最大級のプレッシャーを確認。

> レベルが 1 上がりました!

> 新たな能力【一蓮托生のぼっち・チェーン】を獲得しました!


---


現在のステータス


| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |


| 名前| 桜井 鈴 | 【絶望の箱入り娘】 |

| レベル | 18/ | (+1 Up) |

| HP | 210 / 210 | 全快 |

| MP | 280 / 320 | 回復 |

耐久 (スタミナ)| 10 / 170 | 極度の緊張で減少中|

| スキル能力 | 【絶世の人見知り (Lv.1)】| 【一蓮托生の絆】(New!) |


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(ま、守るって……一生この箱の中から出たくないですぅぅ……! なんで旅!? なんでこの人たちと!? 嫌だ、嫌だ、嫌だぁぁ!!)


「ミャ。諦めるニャ。僕たちは一度決めたら逃がさないニャ」

ミィアが木箱の蓋を爪でカリカリと引っ掻きます。


「あ、ぅ、あ……あうぅ……」


鈴は悟りました。女神様の言った「新たな人生を楽しんで」という言葉は、自分にとっての「荒療治」だったのだと。


こうして、史上最強に臆病な少女と、レベル200の生真面目騎士、そして自由奔放な猫獣人による、前代未聞の旅が幕を開けたのでした。


---


【今回の獲得能力】


【一蓮托生のぼっち・チェーン】:パーティメンバーが一定距離(10m以内)にいる限り、鈴の防御力が常時2倍になる。ただし、鈴の緊張感も常時2倍になる(諸刃の剣)。


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