表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/97

鈴夢の中何故か能力進化

「うぅ……ふにゃ……。だ、誰ですか……? そんなに大勢で、こっちを見ないでくださいぃ……。恥ずかしいですぅ……っ」


心地よい潮騒の中、カレンのモフモフに埋もれてお昼寝をしていた鈴は、少しうなされていました。夢の中で、彼女は王都の何百人もの群衆に囲まれ、キラキラした瞳で見つめられ、逃げ場を失っていたのです。


「こ、来ないで……。一人の時間が、欲しいんですぅぅ……っ!!」


鈴の強い「拒絶」の意志が、レベル319の膨大な魔力と共鳴しました。その瞬間、彼女が元々持っていたひきこもり専用スキルが、凄まじい光を放って変異を遂げます。


> 【絶世の人見知り】固有スキル進化!

> 【拒絶の小領域】 ⇒ 【絶対不可侵の聖域ヒキコモリ・ドーム

> 鈴が「安心できる」と認めた存在以外、物理的・魔法的・精神的、いかなる干渉も受け付けない結界を展開します。

> レベルが 20 上がりました!(Lv.319 → 339)


「ふにゃぁ……っ!」


鈴が飛び起きると、別荘の周りには淡いパステルトーンの、しかし鉄壁の強度を誇る結界がドーム状に広がっていました。この中に入れるのは、鈴の心が許したカレン、そして無言で尽くしてくれたヒトミノジの住人たち、そして大切な仲間のヒルダとミィアのみ。


「……はぁ。ゆ、夢でしたか……。でも、なんだか体がすごく軽いですぅ。レベル、また上がっちゃいました……?」


鈴はレベル339という、もはや神話の登場人物のような数値に気づきもせず、結界のおかげでさらに深まった「安心感」に包まれて、再びカレンの腕の中に顔を埋めました。


---


一方その頃:港町ヒトミノジ近郊


「あともう少しですわ! あの湯気の根源へ、全速力で突撃いたしますわよ!!」


王女率いる騎士団一行は、ついにヒトミノジの町が目視できる距離まで到達していました。夕闇に包まれ始めた街道を、黄金の馬車が凄まじい速度で駆け抜けていきます。


「(……待っていてください、お姉様。もうすぐ、私が抱きしめて差し上げますわ!)」


王女の鼻息は荒く、その「愛(執念)」はもはや物理的な熱気を帯びていました。しかし、彼女はまだ知りません。鈴が進化させた結界によって、自分が「絶対に入れない対象」として真っ先にリストアップされていることに。


「……ニャ? なんだか、前方の空気が妙にピリピリしてるニャ……」

「……ええ。ただの港町とは思えない、神聖な魔力の波動を感じます。……」


ヒルダとミィアは、遠くに見える町を覆う「拒絶の気配」に、嫌な予感(と鈴への同情)を隠せないのでした。


---


現在のステータス(ヒトミノジ別荘)


| キャラクター | レベル | 状態 / 備考 |


| 桜井 鈴 | 339| [能力進化] 絶対不可侵の聖域を展開中。 |

| カレン | 測定不能 | 鈴と一緒に結界内でまったり。 |

| 王女 | 鼻歌交じりに進撃中(※結界により門前払いの予定)。 |


---


「……ふふ、カレンさん。なんだか、とっても静かで……誰も入ってこれないような、素敵な予感がしますぅ……」


鈴は再びウトウトし始めました。最強の「拒絶」を盾に、彼女の静かな休日は守られるのでしょうか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ