魔道具での通信
「……。そ、そういえば、ミィアさんやヒルダさんに何も言わずに来ちゃいました……。私、どうやって連絡すればいいんでしょう……?」
温泉から上がって、ピカピカの別荘のリビングでくつろいでいた鈴は、今更ながら大変なことに気づきました。カレンに乗ってきたので、ここがどこなのか、アステリアからどれくらい離れているのかも、全く分かっていなかったのです。
「カレンさん……どうしましょう……。迷子、ですよね、これ……」
鈴がカレンの毛に顔を埋めて「あうぅ……」と落ち込んでいると、壁の隙間(人見知りに配慮した覗き窓)から様子を伺っていたヒトミノジの住人職人さんが、ススス……と音もなく現れました。
「……あ、あの……。なにか……お困り……ですか……?」
「あ、職人さん! 実は……仲間の人に連絡したくて……。私、アステリアから来たんですけど、ここがどこかも分からなくて……っ」
「……アステリア……。……随分と……遠くまで……来ましたね……。……大丈夫……です……。我々は……喋るのは……苦手ですが……魔道具の……扱いは……得意……ですから……」
職人さんはそう言うと、懐から古めかしい、しかし精巧な装飾が施された鏡のような魔道具を取り出しました。これは特定の座標や施設と瞬時に通信ができる、ヒトミノジの秘蔵アイテムです。
「……アステリアの……冒険者ギルド……。……繋ぎ……ます……」
魔道具が淡い光を放ち、ノイズの後に映像が浮かび上がりました。
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アステリア:冒険者ギルド
その頃、ギルドのカウンター
ヒルダとミィアが「港町へ向かう準備をしましょう」と小声で相談していました。
そこへ、緊急通信のベルが鳴り響きます。
『……あ、あの……。ヒルダさん……? ミィアさん……?』
「鈴!? 、……どこにいるんだニャ!?」
「ひ、ひぎゃぁぁ! 繋がっちゃいましたぁぁ!!」
画面越しにヒルダたちの顔が見えた瞬間、鈴は反射的にカレンの後ろに隠れてしまいましたが、ヒトミノジの職人さんが無言で魔道具を支え、鈴の代わりに説明をしてくれました。
「……彼女は……今……港町ヒトミノジの……我々の……別荘に……います……。……安全……です……。……とても……静かに……しています……」
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現在の状況
| 陣営 | 状況 | 備考 |
| 鈴&カレン | 【生存確認完了】| ヒトミノジの住人のサポートで、アステリアと通信中。 |
| ヒルダ・ミィア | 【驚愕】 | 鈴が勝手に南の果てに「第2の拠点」を作ったと知り絶句。 |




