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賢者の知恵と、迫りくる二つの影

「ふぅ、ふぅ……ごく……。……おいしい……」


温かいスープが喉を通るたびに、鈴の強張っていた身体がほぐれていきます。不思議なことに、バドが醸し出す「隠居したおじいちゃん」という空気感のおかげで、彼に対してだけは【人見知り】のトゲトゲしたオーラが発動しなくなっていました。


「ほう、全部飲めたな。偉いぞ」

「……あの、バドさん。私……自分のことが、よく分からなくて。さっき消えたり、変な声が聞こえたり……」


鈴が勇気を出して相談すると、バドは深く頷きました。

「それは『ステータス』というこの世界のことわりじゃ。お前さん、自分の胸に手を当てて『鑑定』と念じてみるがいい」


鈴が言われた通りにすると、空中に半透明のプレートが浮かび上がりました。


【現在の能力確認】


スキル:【絶世の人見知り (Lv.1)】

効果: 他者と接触・遭遇するたびに、恐怖心に比例してステータスが爆上がりし、経験値を得る。



能力:

【拒絶の小領域】(物理的な壁を作る。ぼっちの城)

【土竜の隠れ蓑】(影に隠れて気配を消す。ぼっちの隠れ家)




「……スキルの名前、やっぱり『人見知り』なんだ……」

「がはは! まさしくお前さんにぴったりの力じゃな。だが、これほどまでに特化したスキルは聞いたことがない。お前さんは『孤独』であればあるほど強くなる、皮肉な英雄の素質を持っておるのかもしれん」


鈴は(英雄なんて絶対無理……)と思いつつも、バドには自分の弱さを認められたようで、少しだけ心が軽くなりました。


---


現在のステータス(安定時)


| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |


| 名前| 桜井 鈴 | 【精神安定】|

| レベル | 16| |

| HP| 120 / 195 | 回復中 |

| MP| 80/ 270 | 回復中 |

| 攻撃力 | 12 | (通常時) |

| 防御力| 15 | (通常時) |

| 精神耐性 | 5 | (+4:バドへの信頼) |


---


しかし、そんな穏やかな時間は長くは続きませんでした。


ドォォォォン……!


突然、村の入り口の方から地響きのような音が聞こえてきました。

バドの家の扉が勢いよく開き、先ほどの村の女性が飛び込んできます。


「お、お師匠様! 大変だ! 森の方から、ものすごい装備をした騎士様と魔導師様が来て……『森を騒がせた怪異を探している』って、村中を調べて回ってるんだよ!」


その言葉を聞いた瞬間、鈴の顔から血の気が引きました。


(……あの二人だ。絶対、あの追いかけてきた二人だ……っ!!)


窓から外を覗くと、黄金の鎧に身を包んだ女騎士ヒルダと、巨大な杖を持ったミィアが、村の広場でバドの家を指差しているのが見えました。


「あそこに、強大な、そして……震えるほど臆病な魔力の残滓を感じるわ。間違いない、あの中に『主』がいる!」


ヒルダの声が村中に響き渡ります。


> 【絶世の人見知り】超・発動準備!!

> 対象:凄腕の騎士、天才魔導師(計2名)

> 宿敵(?)との再会を検知。緊張感がMAXに達しました。


「バ、バドさん! ど、どうしよう……見つかったら私……っ!」

「……ふむ。どうやらお前さんの『静かな生活』は、ここで一度おしまいのようじゃな」


バドは苦笑しながら、杖を手に取り立ち上がりました。


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