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最悪の護送任務

「……ひ、ひぃ……っ。どうしてこんなに人がいるんですかぁぁぁ!!」


王都の正門をくぐった瞬間、鈴を待っていたのは熱狂的な群衆でした。「伝説の盗賊団を捕らえた英雄」「巨大なリボンをつけた美しき魔獣」を一目見ようと、街中の人々が集まってきてしまったのです。


「見て! あのクマ、なんて可愛いの!」「あそこにいる女の子が手懐けたっていう子か!?」


周囲からの全方位的な視線と歓声。人見知りの鈴にとって、それは物理的な攻撃よりも耐えがたいものでした。


「あぅ……あ、うぅ……。見ないで……そんなキラキラした目で見ないでくださいぃぃ!! 恥ずかしくて、消えてしまいたいですぅぅ!!」


鈴の顔が、見たこともないほど真っ赤に沸騰します。彼女の魔力が「恥ずかしさ」に反応し、周囲の空気がメラメラと陽炎のように揺らぎ始めました。


「ひ……【赤面爆炎シャイニング・フレア】……っ!!」


「ニャーーーーッ!! 出しちゃダメだニャ!! ここで爆発したら王都のメインストリートが火の海になるニャ!!」


隣にいたミィアが、凄まじい反射神経で鈴の頬を「ペシペシペシッ!」と連続肉球パンチ。さらには鈴の首元にギュッとしがみつき、ゴロゴロと喉を鳴らして必死に落ち着かせます。


「ふ、ふぇ……。ミィアさん……。……あ、危なかったです……。でも、もう一歩も歩けません……っ」


鈴がよろけると、今度はリボンベアーが巨大なモフモフの体で鈴を包み込み、周囲の視線を物理的にシャットアウトする壁になりました。


「……おいおい。一歩進むたびに爆弾が爆発しそうになるなんて、どんな護送任務だ。ヒルダ、お前が先導して道を空けさせろ! このままじゃ王都が灰になっちまう!」


ガラムが冷や汗を流しながら叫びます。


「分かりました! 道を空けます! ……皆さん、下がってください! 鈴殿は現在、非常に……その、デリケートな状態です!」


ヒルダが必死に群衆をかき分けますが、リボンベアーという巨大すぎる存在と、顔を真っ赤にして今にも爆発しそうな鈴の組み合わせは目立ちすぎて、人だかりは増える一方でした。


---


### 現在の状況:王都・大通り


| 項目 | 内容 |


| 鈴のボルテージ| 限界突破(ミィアがいなければ王都が消えていた)。 |

| 周囲の反応 | 「顔を真っ赤にして照れている子、尊い……」と逆に人気爆発。 |

| ザルキス| 鈴の魔力が漏れるたびに「ひっ、殺される!」と縮み上がっている。 |


---


「……ミ、ミィアさん……。はやく……はやくギルドに……あの怖いおじさん(ザルキス)を預けて、おうちに……おうちに帰らせてください……」


鈴はリボンベアーの毛に顔を埋めたまま、一歩一歩、地獄の行進を続けるのでした。



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