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可愛いくて愛らしくて強い魔物❔

「……よし、出発だ。王都までは馬車を使って2〜3日というところだな」


ガラムが年季の入った地図を広げ、最短ルートを指し示しました。


「ただし、この『迷いの森』を突っ切る近道を通る。普通なら避ける難所だが、このメンバーなら問題ねぇだろ」


鈴はガタガタ揺れる馬車の隅っこで、マジックバッグを抱きしめて震えていました。

(う、うぅ……2〜3日も外にいるなんて、ひきこもりには長すぎますぅ……)


森に入って数時間。不意に、馬車が急停車しました。


「……ふぇ? な、なんですか、あの可愛い生き物は……っ!」


ガラムが「厄介なのが出た」と身構える中、馬車の前に現れたのは、これまでの魔物のイメージを覆すほど愛らしくてキュートなクマでした。


真っ白で綿菓子のようにフワフワな毛並み。クリクリとした大きな瞳。そして、首や耳には色とりどりのリボンがセンス良く結ばれています。見た目はまるで、超巨大な最高級のぬいぐるみです。


「……あ、あの。すっごく、可愛いですぅ……」


あまりの愛らしさに、人見知りの鈴も思わず吸い寄せられるように一歩踏み出してしまいました。


「鈴殿、止まってください! 見た目に騙されてはいけません!」


ヒルダが必死な声で制止します。


「あれは『リボンベアー』……。可愛いものを収集する習性があり、冒険者の間では『貢ぎ物』をすれば無害になると有名ですが、その実力はSランクパーティが総出でようやく倒せるかどうかという危険な魔物なんです!」


「えええっ!? こ、こんなに可愛いのに、そんなに強いんですかぁぁ!?」


鈴が驚いて固まると、リボンベアーは「クゥ〜ン♪」と愛くるしい声を出しながら、トコトコと鈴に近づいてきました。そして、鈴のマジックバッグに鼻先を押し当てて、期待に満ちた目で鈴を見上げます。


「あ……。もしかして、リボンが欲しいんですか……?」


鈴は、王女様からもらった大量のアクセサリーの中から、特にヒラヒラしたピンクのリボンを取り出しました。それをリボンベアーの首元に新しく結んであげると、クマは嬉しそうに目を細め、鈴の頬にスリスリと甘えてきました。


「ふにゃぁ……っ。モフモフですぅ……。すっごく柔らかいですぅ……」


「ニャー、鈴、完全に手なずけてるニャ。……っていうか、あいつ、鈴の背後にぴったりくっついて離れる気がないニャ」


どうやらリボンベアーは、大量の可愛いリボンを持ち、さらに自分に近い「猫装備」を纏った鈴のことを、すっかりリーダー(あるいは一番のお気に入り)だと認めてしまったようです。


---


### 現在のパーティ状況(迷いの森)


| キャラクター | 状態 / 備考 |


| 桜井 鈴 | 【モフモフの虜】 可愛いクマに癒やされ、少しだけ外の世界がマシに。 |

| リボンベアー | 【鈴の親衛隊(自称)】 鈴の背後をガッチリガード。見た目は天使、中身はSランク。 |

| ガラム| 「……おいおい、Sランクをペットにしたぞ。」と苦笑い。 |

| ヒルダ| 「鈴殿の『惹きつける力』は、魔獣にまで及ぶのですか……」と絶句。 |

| 黒幕ザルキス | 巨大なクマに睨まれ、恐怖で完全に置物と化す。 |


---


「……仕方ねぇ。そいつがその気なら、一緒に連れて行くぞ。最強の護衛付きの護送なんて、前代未聞だがな」


ガラムの号令で、一行は再び王都へ向けて出発しました。鈴の隣には、可愛らしいリボンを揺らしながら歩く巨大なモフモフの姿があります。


さて、可愛い相棒(?)が増えた護送の旅。次はどうなりますか?**



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