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調味料(タレ)を求めて



「……ひっ、外ですか……!? でも、美味しい食事を美味しく食べるためなら……行きます! 私、行きますぅぅ!」


鈴が「食欲」という名の勇気を振り絞って立ち上がったその時、再び部屋の隅から猫神様がひょっこりと顔を出しました。


「おっ、お出かけ? ちょうど良かった。二人に渡したいものがあるんだよね」


猫神様は、ヒルダとミィアの前に、小さな肉球の形をした綺麗なクリスタルを手渡しました。


「これは『帰還の肉球ホーム・パウ』。これがあれば、鈴ちゃんが近くにいなくても、君たちの意思でいつでもこの隠れ家に戻ってきたり、外に出たりできるよ。鈴ちゃんのお友達特別パス、みたいなものかな!」


「……! 鈴殿が不在の時でも、ここを守りに来られるということですね。ありがたく頂戴します」

「ニャー! これで鈴に置いていかれても、いつでもご飯にありつけるニャ!」


「あうぅ、二人ともありがとうございます……。じゃあ、調味料を求めて……いざ、アステリアへ」


鈴は猫装備のフードを深く被り、気合を入れてアステリアの街へとワープしました。


---


### アステリアの街:裏路地


――シュンッ!


三人がアステリアの路地裏に現れると、街は以前の活気を取り戻しつつありましたが、ギルド付近にはまだ少し物々しい空気が残っていました。


(…………サッと買って、秒で帰りましょう!)


鈴は【隠密】を使いながら、市場の調味料エリアへと忍び寄ります。しかし、レベル239に達した鈴の存在感は、隠しているつもりでも「何か凄いものが通った」という空気の震えを生んでいました。


> 【絶世の人見知り】発動!!

> 対象:市場の商人たち(約10名)。

> 「何か凄まじい強者が来た」と商人の勘で察知される視線を検知。

> レベルが 6 上がりました!


---


### 現在のステータス(アステリア・市場)


| キャラクター | レベル | 状態 / 備考 |


| 桜井 鈴 | 245/ 999 | (+6 Up / 調味料への執念) |

| ヒルダ | 230/ 999 | (周囲を警戒中) |

| ミィア | 170 / 999 | (くんくんと匂いを嗅いでいる) |


---


「……あの、すみません。そ、その……一番美味しい『お肉のタレ』をください……」


鈴がフードの下から震える声で店主に声をかけると、店主は一瞬、鈴の纏う圧倒的な覇気にビクッと肩を震わせました。


「お、おう、お嬢ちゃん……。うちのタレは王都の貴族も買いに来る絶品だ。」



「……よし、特別だ。奥にしまってあった『魔塩の特製ソース』を出してやるよ!」


店主は、鈴のあまりの「強者感」に圧倒され、最高級の調味料を棚の奥から取り出してきました。


---


一方その頃。

街の反対側にある正門付近では、ガラムが囚われのザルキスを引きずりながら、王都へ向けて出発しようとしていました。


「……ん? なんだ、今の一瞬のプレッシャーは。……市場の方か?」


ガラムが鋭い視線を市場へ向けましたが、そこにはフードを被って震えながら小銭を出している、レベル245の少女がいるだけでした。



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