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王女の家出と、猫装備



「ふぇ……? な、なにか視線を感じますぅ……」


翌朝、鈴は顔に当たる熱い視線で目を覚ましました。

パッと目を開けると、そこには至近距離で鈴を覗き込むキラキラした瞳がありました。


「……おはようございます、お姉様! 寝顔もとっても勇ましくて愛らしいですわ!」


「ひ、ひえぇぇぇぇぇ!!? お、王女さまぁ!?」


ベッドのすぐ横に、なぜか王女が座り込んで鈴を観察していました。鈴は驚きのあまり、愛用の猫装備(フード付きのローブ)をギュッと抱きしめて跳ね起きました。


「ニャ、ニャにごとだニャ!? ……って、姫様! なんでここにいるニャ!」

「姫様! 勝手に入るなど、はしたないですよ!」


鈴の悲鳴で、隣室のミィアとヒルダも飛び起きてきました。

しかし王女はどこ吹く風で、鈴の手をがっしりと握りしめました。


「お姉様、わたくしたちだけで、街へお買い物に行きませんか?」


「えっ……ま、街へ……?」


「いけません! 姫様、護衛もなしになんて……」


ヒルダの制止を完全に無視し、王女は鈴をベッドから引きずり出しました。


「大丈夫ですわ。兵士たちに見つからずに外へ出られる秘密の抜け道を通れば、誰にも邪魔されずにお姉様とデートを楽しめますもの! さあ、行きましょう!」


「ふぇぇ!? ま、待ってください、私、まだこの猫装備……ひぎゃぁぁぁ!」


王女は驚異的な力で鈴を引っ張り、隠し扉の向こうへと消えていきました。


---



「こ、こっちですわ、お姉様!」

「お、王女さまぁ! 引っ張らないでくださいぃ!」


暗い地下通路を抜け、たどり着いたのは王都の活気あふれる中央市場。

そこには、王宮の静寂とは真逆の、数千人の人々がひしめき合う喧騒の世界が広がっていました。


(……ひ、人が……人がゴミのようです、じゃなくて、人がゴミみたいにたくさんいますぅぅ! しかも私、ものすごく目立ってる気がしますぅぅ!!)


顔を剥き出しで歩く王女の隣にいることで

目立ってしまっている鈴


> 【絶世の人見知り】発動!!

> 対象:市場の商人、買い物客(計100名以上)。

> 「伝説の装備を纏い、王女と街を駆け抜ける」という派手な状況を検知。

> レベルが 20 上がりました!


---


### 現在のステータス(王都・市場)


| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |


| 名前| 桜井 鈴 | 【精神的パニック】|

| レベル| 165 / 999 | (+20 Up) |

| MP| 850/ 999 | |

| 装備| 【猫神の聖衣】| (防御力:特大 / 注目度:最大) |


---


「お姉様、見てください! あそこのアクセサリー、お姉様の猫耳に似合いそうですわ!」


「うぅ……見ないで、みんなこっちを見ないでくださいぃぃ!!」


鈴の放つ【絶対拒絶】のオーラが恥ずかしさで暴走し、通行人がモーセの十戒のように割れていきます。


「ニャーー! 待つニャ! 二人とも早すぎるニャ!!」

「姫様ぁぁぁ!! お待ちくださいぃぃ!!」


遅れて追いかけてきたミィアとヒルダ。しかしその視線の先には、目立ちすぎる猫装備を翻し、王女に手を引かれて群衆の中へ消えていくレベル165の「引きこもり英雄」の姿がありました。



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