落ち着かない夜
「……ふぇぇ、お、お部屋まで豪華すぎて落ち着きません……っ」
晩餐会が和やかに(?)お開きとなり、外はすでに帳が下りていました。王様から「夜道は危ない、今夜は王宮に泊まっていくが良い」と提案され、鈴は断りきれずに最高級の客室へと案内されました。
そこは、先ほどの来賓の間よりもさらに広く、ふかふかの天蓋付きベッドが鎮座し、壁には歴史のありそうな肖像画がずらりと並んでいます。
「ひぃっ、肖像画の人たちまで私を見てる気がしますぅ……」
「ニャー、鈴、考えすぎだニャ。このベッド、お家(隠れ家)のよりふかふかだニャ!」
「鈴殿、廊下には近衛騎士たちが交代で警護についています。セキュリティは万全ですよ」
ヒルダの言葉は本来、安心させるためのものでしたが、人見知りの鈴にとっては逆効果でした。
(……廊下に、騎士の人たちが……。つまり、扉一枚隔てたところに、ずっと知らない人が立ってるってことですよね!? ……う、うぅ、お風呂に入りたいけど、動く音を聞かれるのも恥ずかしいですぅ……!!)
> **【絶世の人見知り】発動!!**
> 対象:廊下の近衛騎士(約4名)、肖像画(多数)。
> 「24時間監視されているという妄想」による極限の緊張を検知。
> レベルが 4 上がりました!
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### 現在のステータス(王宮・客室)
| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |
| 名前| 桜井 鈴 | 【不眠の予感】 |
| レベル| 145/ 999 | (+4 Up) |
| MP | 600/ 999 | (順調に回復) |
| スキル能力| 【絶対拒絶】| 【聴覚過敏】(New!)今までに獲得した能力 |
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「……ミィアさん、ヒルダさん。……私、やっぱりお家に帰りたいです。あのお肉のお土産を持って、猫神様のお家で……パジャマで……」
「……鈴殿、今から王宮を抜け出すのは、流石に外交問題になります。……一晩だけ、一晩だけ耐えてください」
「うぅ……。あ、そうだ……! 私、いいこと思いつきました……」
鈴は震える手で、大切に持っていた猫装備をギュッと抱きしめました。
「これに着替えて……フードを深く被れば……。王宮の中でも、心だけはお家にいる気分になれるかも……しれません……!」
鈴は、最高級のシルクの寝間着を無視して、使い古した、しかし神の加護が宿る「猫パジャマ」に急いで着替えました。
するとどうでしょう。あんなに怖かった肖像画の視線が、不思議と気にならなくなりました。
「ふにゃぁ……。やっぱりこれです……。これじゃないと、夜は越せません……」
猫装備の「超リラックス効果」により、レベル145の最強乙女は、ようやく大きなベッドの真ん中で丸くなることができました。
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【今回の獲得能力】
【聴覚過敏(人見知り仕様)】:廊下の足音や話し
声を敏感に察知し、誰かが近づいてくるのを事前に把握できる。心の準備をするためのスキル。




