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初のテイクアウト⁉️

「……お、美味しい……。これ、お肉が口の中でとろけますぅ……」


王宮シェフが腕によりをかけた特製和牛風ステーキ。そのあまりの美味しさに、鈴の頬がポッと赤く染まりました。日本にいた頃も、こんなに高級な料理は食べたことがありません。


「鈴、これ凄く美味しいニャ! 僕、一生ここに住んでもいいニャ!」

「鈴殿、お口に合ったようで何よりです。国王陛下、感謝いたします」


鈴はモグモグと味わいながら、ふと「猫神様の隠れ家」のことを思い出しました。あの静かで落ち着く、自分だけの聖域。でも、あそこにはこんなに美味しいお料理はありません。


(このお肉……あのお家で、パジャマに着替えて、ゴロゴロしながら食べられたら……最高なのに……)


人見知りの鈴にとって、いくら人が減ったとはいえ「王族の前でドレスを着て食べる」という状況は、美味しさを100%楽しむにはまだハードルが高かったのです。


鈴は勇気を振り絞り、消え入るような声で王様に尋ねました。


「あの……陛下……。これ、もしよろしければ……お、お持ち帰りしても、いいですか……?」


「……ほぅ?」

王は一瞬、目を丸くしました。英雄として王宮に招かれ、目の前で豪華な食事を提供されている客人が「テイクアウト」を申し出るなど、建国以来初めてのことだったからです。


「ぷっ……あはは! お姉様、面白いことをおっしゃいますのね!」

王女が楽しそうに笑い、給仕や料理人たちも思わず顔を見合わせました。


> 【絶世の人見知り】発動!!

> 対象:王、王女、給仕、料理人(計10名)。

> 「王室の常識を破壊する発言」による羞恥を検知。

> レベルが 6 上がりました!


---


### 現在のステータス(晩餐会・デザート前)


| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |


| 名前 | 桜井 鈴 | 【お土産を希望中】|

| レベル | 141 / 999 | (+6 Up) |

| MP | 450/ 999 | (順調に回復) |

| 称号| 【テイクアウトの聖女】今までに獲得した称号 | |


---


「……ハッハッハ! よいぞ、よいぞ! 英雄が我が城の味をそれほどまでに気に入ってくれたとは、料理人も本望だろう! おい、シェフ! 今すぐ鈴殿の分を詰め合わせろ。それと、保存魔法をかけた特製の『お土産セット』も用意するのだ!」


「ははっ! 喜んで!」


料理人たちは、自分たちの料理を「家でゆっくり食べたい」と言ってくれた鈴に、むしろ好感を抱いたようでした。


「あ、ありがとうございます……っ。……これで、お家でゆっくり……」


鈴は安堵の溜息をつきました。レベル141。もはや敵なしの強さですが、彼女の願いは「美味しいものを、一人で、パジャマで食べたい」という、相変わらずの平和なものでした。


しかしその時、王女がさらに身を乗り出してきました。


「お姉様! お持ち帰りもいいですけれど、その前に……明日、わたくしの専用庭園でお茶会をしませんか? お姉様と、もっともっとお話ししたいんですの!」


「……っ!?(お、お茶会……!? 外で……!? また人がいっぱい来るやつですかぁぁ!?)」



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