沈黙の謁見と、鉄壁の人見知り
王女が去った後、休む間もなく鈴はメイドたちに連れ出されました。
「英雄様、王がお待ちです。謁見の間へ参りましょう」
「う、うぅ……。ヒルダさぁん、ミィアさぁん……」
「大丈夫です、鈴殿。私がついていますから」
「鈴、前を向くニャ! 美味しいご飯まであと少しニャ!」
重厚な扉が開かれた瞬間、鈴の視界に飛び込んできたのは、異世界の権威を象徴するような光景でした。
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広大な『謁見の間』。
その左右には、磨き抜かれた鎧に身を包んだ100名の精鋭近衛兵が、槍を立てて整列しています。正面の玉座には威厳溢れる王が座し、その周囲には高官たちが鈴を値踏みするように見つめていました。
(ひ、ひぃぃぃぃ! 人が……人が多すぎます! 1、2、3……100人!? しかもみんな、私を見てる……!!)
猫装備という心のバリアを失った今の鈴にとって、100人分の視線はもはや物理的な「熱光線」と同じでした。羞恥と恐怖が臨界点を突破し、鈴の体は石像のようにカチコチに固まります。
> 【絶世の人見知り】固有スキル・ランクアップ!!
> Lv.1 → Lv.2 へ上昇!
> 対象:王、高官、近衛兵(計100名以上)。
> 「国家規模の注視」による絶望的な精神不可を検知。
> レベルが 20 上がりました!
> 新たな能力【絶対拒絶】を獲得しました!
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### 現在のステータス(王宮・謁見の間)
| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |
| 名前 | 桜井 鈴 | 【物理的硬直状態】|
| レベル| 129/ 999 | (+20 Up / 爆速成長中) |
| スキル 能力| 【絶世の人見知り (Lv.2)】 | 【絶対拒絶】(New!) 今までに獲得した能力|
| 防御力| 測定不能| (物理攻撃・完全無効) |
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「……? 英雄よ、どうしたのだ。顔色が真っ白だが……」
王が立ち上がり、鈴に一歩近づこうとしました。その瞬間。
キィィィィンッ!!!
鈴の周囲に、透明な、しかしダイヤモンドよりも硬い「拒絶の障壁」が展開されました。あまりの硬度に、空気中の塵が触れただけで火花が散るほどです。
(こ、来ないで……誰も私に触らないでぇぇぇ!!)
「……な、なんだこのプレッシャーは!? 近寄ることすらできん!」
「王を守れ! いや、王を守る以前に、床が彼女の重圧でひび割れているぞ!」
鈴は無意識に発動した【絶対拒絶】により、一時的に物理攻撃を完全に無効化する「鉄壁の美少女」と化していました。しかし、本人は恥ずかしさでパニックのどん底です。
「……あ、あぅ……あ、うぅ……(限界)」
「ニャ! 王様、鈴はものすごく緊張してるだけだから、それ以上近づいちゃダメだニャ!」
「は、ハッハッハ! そうか、これが救国の英雄の覇気……! 凄まじいものだな(勘違い)」
王様は鈴の異常な様子を「強者ゆえのオーラ」だと解釈し、満足げに頷きました。
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【今回の獲得能力】
【絶対拒絶】:MP を消費して一時的に防御力を大幅に引き上げ、あらゆる物理攻撃を弾き返す。ただし、発動中は鈴の体がカチコチに固まって動けなくなる。




