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狂い始めた歯車と、無自覚な拒絶

「……つ、着きました。ここが王都『セント・シャイア』……。名前からして、私に優しそうな街なんですけど、人が多すぎてやっぱり怖いです……っ!」


鈴は、猫耳フードを目深に被り、新スキル【魔力隠蔽】を最大出力にして王都の門を潜りました。王都のギルド『沈黙の咆哮サイレント・ロア』は、その名の通り、私語厳禁の静かな図書室のような雰囲気でしたが、集まっている冒険者たちの殺気はアステリアの比ではありませんでした。


「王都のギルドも、ピリピリしてるニャ……。でも、鈴のステルスが凄すぎて、誰も僕たちに気づかないニャ」


「ええ。ひとまずはここで、王都周辺の魔物の動向を詳しく確認しましょう」


一行がギルドの資料室で情報を集めている頃。

鈴たちが拠点にしていた街、アステリアの静かな裏路地に、あの黒幕の男が姿を現していました。


---



「……何なんだ、これは。一体何が起きている……!」


男は、手元の水晶玉を叩きつけるように見つめていました。

水晶玉には、王都へ向かう街道に散らばった「キラーベア」たちの反応が映し出されていますが、そのどれもが、男の放つ「支配の魔力」を完全に拒絶していました。


「僕の『狂気マッドネス・リンク』が強制解除されている……? 傷を負ったわけでも、魔法で浄化されたわけでもない。ただ……ただ、怯えている!? 魔物たちが、支配されることよりも恐ろしい『何か』に遭遇して、支配の呪縛すら恐怖で上書きされたというのか……っ!」


男は、震える手で魔力の痕跡を辿ります。しかし、そこに残っているのは、あまりにも巨大で、あまりにも静かな、底の知れない「虚無」の気配だけ。


「メタリィラビットの時もそうだ……。そこにいたはずの数千の命が、抗う間もなく消された。そして今度は、僕の兵隊たちが戦う前に戦意を喪失した。……アステリアに、何が潜んでいるんだ……!」


男は、鈴が残した「威圧の残滓」のわずかな欠片に触れ、そのあまりの強大さに、自分自身も一瞬、呼吸を忘れました。


---


一方、王都『セント・シャイア』のギルドにて。


「……? あれ、また耳がチリチリします。……誰かが、私の悪口を言っているような……」


> 【絶世の人見知り】発動!!

> 対象:遠く離れた黒幕の驚愕と恐怖。

> 「知らないところで勝手に怖がられている」という理不尽な状況を検知。

> レベルが 1 上がりました!

> 新たな能力【拒絶の波長アンチ・コントロール】を獲得しました!


---


### 現在のステータス(王都ギルド・資料室)


| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |


| 名前| 桜井 鈴 | 【静かに読書中】|

| レベル| 97 / 999 | (+1 Up ) |

| 支配耐性| 完璧 | (神の加護補正) |

| スキル | 【威圧の残滓】| 【拒絶の波長】(New!) 今までに獲得した能力|


---


「鈴、またレベル上がったニャ!? 何もしてないのに、歩くだけで強くなるなんて、もう神様ニャ!」


「違いますぅ、怖がってるだけですぅ……。……でも、ヒルダさん。この資料によると、王都の地下にある『対人恐怖の回廊シャイ・ラビリンス』に、魔物たちが吸い込まれるように集まっているみたいです」


「地下ダンジョンですか……。地上の魔物が大人しくなった代わりに、地下で何かが膨れ上がっている……。嫌な予感がしますね」


鈴たちは、自分たちが魔物を「怯えさせて」地下へ追いやってしまったことなど露知らず、異変の核心と思われる王都地下へと向かう決意を固めるのでし

た。





---


【今回の獲得能力】


【拒絶の波長アンチ・コントロール】:精神支配や強制命令を無効化する。また、鈴の周囲にいる魔物も、鈴への恐怖が勝るため、他者からの支配を受け付けなくなる(無意識の救済)。



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