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安息のない「人里」と、限界突破の代償

森を抜け、視界が開けた先に広がっていたのは、のどかな農村の風景でした。

しかし、鈴にとっては、そこは魔王の城よりも恐ろしい「対人地獄」に他なりませんでした。


(あ、あそこに人が……あっちにも……。一人、二人……十、二十……。うそ、多すぎる……っ!)


夕暮れ時、農作業を終えた男たちや、洗濯物を取り込む女性たち。子供たちの笑い声。

学校の教室を何倍にも膨らませたような「集団」の気配が、鈴の薄氷のようなメンタルを粉々に打ち砕きます。


「……ひっ、う、あぁ……」


視界に入る人間の数が増えるたび、鈴の心拍数は跳ね上がり、呼吸は浅く速くなります。

「誰かに見つかる」「話しかけられる」という恐怖が、彼女の魂を極限まで圧縮し、それが黄金の輝きとなって溢れ出しました。


> 【絶世の人見知り】発動!!

> 対象:11人~100人(村の住民たち)

> 極度の対人恐怖を確認。レベルが 10 上がります。

> 新たな能力【拒絶の小領域プチ・サンクチュアリ】を獲得しました!


---


ステータス更新


| 項目 | 数値 | 備考 |


| 名前 | 桜井 鈴 | |

| レベル| 14/ | (+10 Up) |

| HP| 22 / 180 | 極度の疲労により激減 |

| MP| 8/ 250 | スキル強制発動により枯渇 |

|攻撃力 | 45 | (緊張補正:+80) |

| 防御力 | 50 | (緊張補正:+120) |

| 持久力 | 2/ 140 | 限界突破による反動|

| スキル能力| 【絶世の人見知り (Lv.1)】| 【拒絶の小領域】(New!) |


---


(だめ、もう……身体が……熱い……)


急激なレベルアップと、先ほどの「強者二人」からの全力逃走。

そこに数十人の人間を目撃した精神的ショックが追い打ちをかけ、鈴の持久力スタミナはついに底をつきました。


「おい、あそこに誰か倒れてるぞ!」

「女の子か!? 大丈夫かーい!」


村人の一人が鈴に気づき、大声で駆け寄ってきます。

その「親切な声」こそが、今の鈴にとっては最大の恐怖。


(……こ、来ないで……お願い……誰にも、会いたく……な……い……)


鈴が意識を手放す直前、彼女の周囲に淡い光の壁――新スキル【拒絶の小領域】が展開されました。

それは、彼女の「近づかないで」という願いが形になった、物理的な不可視の防壁です。


ガツンッ!


「痛っ!? なんだ、これ。透明な壁があるぞ!?」

「おい、この子に近づけない! どうなってんだ!?」


駆け寄った村人たちが戸惑う中、鈴は自分の作り出した小さな孤独の殻の中で、深い眠りへと落ちていきました。


---


【今回の獲得能力】


【拒絶の小領域プチ・サンクチュアリ】:半径1メートル以内に「自分を認識している他者」を入れない不可視の壁を展開する。ただし、発動中はMPを消費し続ける。


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