異変の予兆と、重なる記憶
「……ふぅ。やっぱり、お家は最高ですね……」
猫神様の隠れ家で一晩ぐっすり眠り、精神状態がフルチャージされた鈴。新装備の猫耳フードを深く被り、リラックス効果とステルス機能のおかげで、以前よりもずっと落ち着いた様子でアステリアの街へと戻ってきました。
「ニャ! 鈴、全然ビクビクしてないニャ! ステルス機能がバッチリ効いてるから、誰もこっちをジロジロ見てこないニャ!」
「ええ、驚くほど自然体ですね。これなら普通に散策できそうです」
ヒルダの言う通り、道ゆく人々は鈴の横を通り過ぎても「あ、可愛い猫耳の子がいるな」程度にしか認識せず、以前のような「爆炎の聖女だ!」という大騒ぎにはなりませんでした。
しかし、ギルドの掲示板付近を通った時、鈴の耳に不穏な話し声が飛び込んできました。
「……おい、聞いたか? 王都周辺の街道が封鎖されたらしいぞ」
「ああ、例の『狂暴化した群れ』だろ? 本来は単独で動くはずのキラーベアや、縄張り意識の強いワイバーンが、まるで軍隊みたいに群れて街を襲ってるって話だ」
「しかも、どいつもこいつも目が赤く光って、理性を失ってるみたいだってよ……」
その言葉を聞いた瞬間、ヒルダの表情が険しくなりました。
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「……本来、群れないはずの魔物が、群れて狂暴化している……?」
ヒルダは昨日の平原での光景を鮮明に思い出しました。地平線を埋め尽くしていた、あの異常な数のメタリィラビット。
「鈴殿、ミィア。これは単なる偶然ではないかもしれません。私たちが遭遇したあのウサギの群れも、王都付近で起きている異変と同じ原因である可能性があります」
「ニャ……。そういえばあの時のウサギたち、みんな目が真っ赤だったニャ。普段のメタリィラビットは、もっと臆病で逃げ足が速い魔物なのに……」
(……魔物の、暴走……。もしそれが本当なら、アステリアの街や、あの猫さんたちのいる森も危ないんじゃ……)
鈴の胸に、せっかく落ち着いたはずの不安が再び影を落とします。
> 【絶世の人見知り】発動!!
> 対象:広範囲に広がる「世界の危機」の噂。
> 「自分たちの平和が脅かされる予感」による焦燥を検知。
> レベルが 1 上がりました!
> 新たな能力【危険察知】を獲得しました!
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現在のステータス(ギルド前)
| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |
| 名前| 桜井 鈴 | 【静かな決意】|
| レベル| 94 / |(+1 Up) |
| MP| MAX| (底なしの魔力) |
| スキル能力 | 【神の隠密】| 【危険察知】(New!) 今までに獲得した能力|
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「……ヒルダさん。私、怖いけど……あの猫さんたちや、せっかく見つけたお家を壊されるのは、もっと嫌です……」
鈴はギュッと猫耳フードの裾を握りました。
レベル94。すでに「一国の軍事力」に匹敵する力を持ちながら、彼女が戦う理由は常にシンプルでした。それは「自分の大切な居場所を守るため」。
「……わかりました。まずはギルドマスターから詳しい情報を聞き出しましょう。王都で何が起きているのか。それがわかれば、私たちにできることが見えてくるはずです」
「ニャ! 鈴の平和を邪魔する奴は、僕がレベル90の爪で切り刻んでやるニャ!」
隠密装備のおかげで、パニックを起こさずに状況を判断できるようになった鈴。彼女たちは、真相を確かめるべく再びギルドの奥へと足を進めるのでした。
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【今回の獲得能力】
【危険察知】:周囲に漂う邪悪な魔力や、敵意を持った存在を本能的に察知する。猫装備との相乗効果で精度が非常に高い。




