猫神の褒美と、究極の安らぎ
「……えっ!? ヒ、ヒルダさん……に、ミィアさん……?」
一行の前に、不気味に揺らめく「影」が現れました。それは紛れもなく、今隣にいるはずのヒルダとミィアと瓜二つの姿をしたシャドウでした。
「ニャ……。僕の偽物だニャ。でも、動きも魔力も僕とそっくりだニャ……!」
「なるほど。このダンジョンは、自分自身の未熟さや内面と向き合わせる試練の場のようですね」
ヒルダは冷静に剣を抜きました。
「鈴殿は下がっていてください。自分の影は、自分が一番よく知っているはず。ここは私たちが決着をつけます!」
「そ、そんな……! お二人とも、気をつけてください……っ!」
鈴がハラハラしながら見守る中、伝説の聖騎士vs影の聖騎士、そしてレベル90の最速猫vs影の猫による、次元を超えた超高速戦闘が始まりました。自分自身の癖、弱点、戦術を知り尽くしているからこその、一進一退の攻防。
しかし、最後は本物の意地が勝りました。ヒルダの鋭い一撃とミィアの神速の爪がシャドウを霧散させ、戦いは幕を閉じます。
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シャドウが消えた先、通路は一気にひらけ、陽光のような優しい光が満ちる大広間へと繋がっていました。
「……あ、猫神様!」
光の中心には、あの神々しい猫神が、豪華な装飾が施された宝箱の横で香箱座りをして待っていました。
『――見事だ。己の影を乗り越えし者たちよ。試練クリア、おめでとう』
猫神様は金色の瞳を細め、鈴に優しく語りかけます。
『人の娘よ、その宝箱を開けるがよい。それは君がこの世界で、誰にも怯えず、自分らしくあるための装備だ』
「わ、私に……? ありがとうございます……」
鈴が震える手で重厚な蓋を開けると、中には柔らかそうな、猫の耳を模したフード付きの特製猫装備が入っていました。
「……猫さんの、お洋服……?」
『着てみるがよい。それは単なる防具ではない』
鈴がさっそくその装備を身に纏うと、驚くべき変化が起きました。
> 【絶世の人見知り】特殊進化!!
> 新装備【猫神の安らぎ(キャット・リラックス・ギア)】と共鳴。
> 能力【不可視の前髪】が常時・受動スキルへ統合されました。
> レベルが 2 上がりました!
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現在のステータス(聖域・最深部)
| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |
| 名前| 桜井 鈴 | 【究極リラックス】|
| レベル | 92/ | (+2 Up) |
| MP | 9999 | |
| 精神状態 | 安定・平穏 | (猫装備補正:+∞) |
| スキル能力 【神の隠密】 | (New! / 常時発動) 今までに獲得した能力|
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「……ふにゃぁぁ……。……なんですか、これ。すごく、すごく落ち着きます……」
今まであんなにガチガチだった鈴の肩の力が、魔法のように抜けました。
この装備には「どんな極限状態でも精神をリラックスさせる」という神級のエンチャントがかかっており、さらには身につけているだけで存在感が薄まり、気配が完全に消える効果がありました。
「鈴殿! 周囲の景色に自然と溶け込んでいますよ。まるで最初からそこにいた空気のようです!」
「ニャー! 鈴、もう『見ないでぇ!』って叫びながら爆発しなくても、みんな鈴の存在に気づかないニャ! 究極の引きこもり装備だニャ!」
「……あ、本当だ。……外に人がいても、これなら……これなら、普通に歩けるかもしれません……っ!」
レベル92。神の如き魔力を持ちながら、鈴はついに「誰にも見つからない自由」を手に入れたのです。
【今回の獲得能力・装備】
新装備:【猫神の安らぎ】:常時リラックス&完全気配遮断。恥ずかしさによる魔法の暴走を抑制し、意図的にコントロールしやすくする。
統合スキル:【神の隠密】:【不可視の前髪】を使わずとも、他人の認識から自然に外れる。




