久しぶりのヒトミノジ
翌朝――。
『我が家』のホールに設置された、ピンク色に光る可愛い『猫の肉球マークのワープ床』の前に全員が集まっていました。
「よしっ! それじゃあ、順番にワープ床に乗って行くよ〜!」
まずは、別荘の持ち主でもある鈴から
セイナ(シマエナガぬいぐるみ)をぎゅっと抱きかかえ、ワープ床の中央へトコトコと歩み出ます。
「『水の都ヒトミノジ』の別荘へ出発ですぅ!」
ポンッ! という可愛らしい音とともに鈴が光の中に消えると、次は「万が一にも鈴に危険があってはならない」と、愛しき護衛のカレンが「クウーン!」と気合を入れてワープ!
続けてふう、ミィア、そして最後にヒルダが慎重に肉球ワープ床を踏みしめ、順々に転送されていきました。
光が収まると、そこは清涼な水の羽音と美しい風が吹き抜ける別荘の中。
心配されていた危険や異常は一切なく
一行はホッと胸をなで下ろしながらバルコニーから別荘の外へと足を踏み出しました。
「わぁぁぁ……! すごく綺麗な街並み……!」
別荘の庭を抜け、美しい運河が巡るヒトミノジの街の方角へと歩みを進めると
空一面を覆ううっすらとした淡いパステルトーンのドームが目に入りました。
それは以前、この街を危機から救った際に鈴が展開した超広範囲魔法――『絶対不可侵の聖域』!
街全体をまるごと包み込むその巨大な結界は、今も変わらず眩しく輝き続けていました。
ふうは空を見上げ、開いた口が塞がらない様子で感嘆の声を漏らします。
「すごすぎる……! 街ひとつを丸ごと包み込んでるなんて、なんて桁違いなスケールの結界なの……!
でも……こんなに巨大な結界をずっと維持してるなんて、MP(魔力)の消費量がとんでもないことになってるんじゃないの……!?」
「あ、あのね、ふうちゃん……」
ふうの心配そうな問いかけに、鈴は少し照れくさそうに人差し指同士をツンツンと突き合わせながら、控えめに明かしました。
「私……どうやらMPがカンスト(限界突破)してるみたいなんですぅ……」
「えぇぇぇっ!? カンストーッ!?」
「どれだけ使っても、勝手にすぐ全回復しちゃうみたいで……」
「同じ場所で発動したら
MP消費しないみたいで」
どこまでも規格外な大親友のスペックに、ふうは思わずズッコケそうになりながらも、すぐに目を輝かせてニッコリ。
「あははっ! さすが鈴凄すぎるよ〜!
私も置いていかれないように可愛いクラフトでバッチリ追いつかなくっちゃね!」
「ふうちゃん、頼もしいですぅ!」
後ろでは、カレンとヒルダが周囲の様子を
鋭い視線で警戒・警護し
上空ではパタパタと翼を羽ばたかせたシマエナガ姿のセイナが、念のために街全体のパトロールへと飛んでいくのでした。
現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 現在の様子 |
桜井 鈴&風 | 【街散策&MP暴露】 | 無事ヒトミノジへ到着。街を覆う無敵結界と鈴の「MPカンスト」にふうが超感心。 |
| カレン&ヒルダ| 【周囲警戒】 | 鈴たちの安全を守るため、常に周囲の様子に気を配りながら同行。 |
セイナ | 【上空パトロール】 | 万全を期すため、空中からヒトミノジ全体の安全確認を開始。 |
| ミィア| 【バカンス満喫中】 | 水の都の風を感じながら、みんなと一緒に楽しくお散歩。 |




