ギルドマスター登場とまさかの依頼
(……ギルドの人……? 怒られる、絶対に怒られる……。弁償代、何円なんだろう……っ!)
鈴はバリケードの隙間から、震える声で返事をしました。
「……は、はい。あ、あの……ご、ごめんなさい、机を……焦がしてしまって……。今、お金……ないです……」
すると、ドアの向こうからヒルダではない、低く重厚な声が響きました。
「がっはっは! 机の心配など無用だ、小娘。あんな安物の机、お前の『爆炎』の火力を拝めた授業料に比べれば安いもんよ!」
ドアの向こうにいたのは、アステリアのギルドマスター、巨漢のガラムでした。彼はヒルダに付き添われ、鈴を脅かさないよう一歩下がった場所で語りかけます。
「お前のあの魔力……ギルドの机を溶かすほどの一撃、ありゃあ本物だ。ちょうど、厄介な魔物に手を焼いていてな。……『メタリィラビット』の目撃情報が街の近くで多発しているんだ」
「……っ! あの、銀色の……攻撃が効かない、ウサギ……?」
「そうだ。物理攻撃は一切通じず、魔法使いも今この町にはいなくて手を焼いていてな
お前があの時放った、あの『燃え上がるような羞恥心の熱量』……ありゃあ、魔法を超えた純粋なエネルギーだ。お前なら、あの銀色の毛皮を焼き溶かせるかもしれん」
ガラムは、焦げた机という「証拠」を見て、鈴の潜在能力を確信したようでした。
「依頼料は弾む。街の安全のためだ、どうか力を貸してくれ。……まあ、引き受けてくれるまで、俺はギルドの入り口でお前の『爆炎の武勇伝』を触れ回って待ってるがな!」
(ひ、ひぃぃぃ!! 宣伝しないでぇぇ!! そんなの、恥ずかしすぎてまた爆発しちゃうぅぅ!!)
> 【絶世の人見知り】発動!!
> 対象:ギルドマスター、ヒルダ(ドア越しのプレッシャー)
> 「受けなければ恥ずかしい噂を広められる」という強迫観念を検知。
> レベルが 1 上がりました!
> 新たな能力【強制同意の溜息】を獲得しました!
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現在のステータス(宿屋・交渉中)
| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |
| 名前 | 桜井 鈴 | 【逃げ場なし】|
| レベル | 64 / | (+1 Up) |
| HP| 1700 | |
| MP| 3500| |
| スキル能力 | 【絶世の人見知り (Lv.1)】 | 【強制同意の溜息】(New!)今までに獲得した能力 |
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「……わ、わかりました……。やります、やらせてくださいぃ……! だから、言いふらさないでください……っ!」
極限の緊張から、新スキル【強制同意の溜息】が発動。鈴の本心とは裏腹に、交渉を即座に終わらせるための「YES」を口にしてしまいました。
「よし、決まりだ! 明日の朝、街の東門で待ってるぞ! 期待してるぜ、『爆炎の聖女』さんよぉ!」
ガラムは満足げに去っていきましたが、部屋の中では鈴が「……聖女って何。……爆炎って何……もう死にたい……」と、再び枕に顔を埋めて絶望していました。
しかし、これは鈴が初めて自らの意志(というか脅迫による強制)で受ける、異世界での「初仕事」になったのです。
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【今回の獲得能力】
【強制同意の溜息】:これ以上会話を続けたくないという恐怖がピークに達した時、相手の要求をすべて呑むことでその場を強制終了させる、悲しき合意スキル。
翌朝、メタリィラビット討伐へ!




