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一人きりの聖域と、深夜のステータス確認

「……もう、今日は疲れました……。一歩も動きたくないです……」


ギルドでの爆発、街中での注目、そして防具店での視線攻撃。鈴の精神力(コミュ力)はすでにマイナスを振り切っていました。


「そうですね。鈴殿は今日、本当に頑張りました。無理に依頼を受けるより、まずは宿をとってゆっくり休みましょう」


ヒルダが案内してくれたのは、冒険者ギルド御用達の宿屋『盾と安らぎ亭』。

鈴は「相部屋……もし相部屋だったら、その瞬間に私の『赤面爆炎』で宿が更地になっちゃいます……」とガタガタ震えていましたが、ヒルダが気を利かせて、奮発して三部屋分の個室をとってくれました。


「個室……! 一人になれる場所……! 天国ですか、ここは……!」


鈴は鍵を受け取ると、ミィアとヒルダに挨拶もそこそこに、自分の部屋へと滑り込みました。


---




バタン! とドアを閉め、鍵を三回かけ、さらにドアの前に椅子を置いてバリケードを作ってから、鈴はようやく深紅のローブを脱ぎ、ベッドに倒れ込みました。


「……ふぇぇ……。……怖かった……外、怖すぎます……」


一人きり。誰の視線も、誰の声も届かない完璧な「聖域」。

ようやく落ち着きを取り戻した鈴は、今日一日のあまりに激しすぎる変化を確認するため、ステータス画面を開きました。


---


【桜井 鈴:ステータス(宿屋・独りきりモード)】


| 項目 | 数値 | 状態 / 備考 |


| 名前 | 桜井 鈴 | 【精神的安寧:100%】 |

| レベル| 63 / 999 | (今日だけでLv20代→60代へ) |

| HP| 1650 | |

| MP | 3300| (国宝級の魔力量) |

| 攻撃力 | 10 | (通常時) |

| 防御力| 60 | (通常時) |

| 魔法威力 | 4500 | (羞恥心・パニック補正) |


【獲得済みスキル・ダイジェスト】


【絶世の人見知り】: 全ての元凶。

【不可視の前髪】: 顔を隠す闇。

【赤面爆炎】: 恥ずかしさで街を焼く。

【群衆の石化】: 見るなと願えば相手を止める。

【防壁の衣】: 視線すら弾くバリア。

など、計10種以上の「対人拒絶スキル」を保有。


---


「……レベル、63……」


鈴は、その数字を見て遠い目をしました。

日本の高校生だった頃、放課後にこっそり遊んでいたRPGでは、数ヶ月かけてようやく到達したレベルです。それが、この異世界に来てから数回「恥ずかしい思い」をしただけで達成されてしまった。


(私……このまま恥ずかしい思いを続けたら、どうなっちゃうんだろう……。魔王とか、倒せちゃうのかな……? いえ、それより先に、私の心臓が止まる気がします……)


そんなことを考えながら、鈴がふかふかの枕に顔を埋めていた、その時。


コン、コン、とドアを叩く音がしました。


「鈴殿、ヒルダです。……夕食をお持ちしました。部屋の前に置いておきますね。それと……先ほどギルドの者が来て、鈴殿の『身分証』について少し話があるそうで……」


(……ひっ!? ギルドの人!? 説教!? それとも、器物損壊の賠償金!?)


せっかくの安らぎタイムに、早くも「外の世界」からの干渉が。

鈴の体から、再びパチパチと小さな火花(恥じらいの予兆)が漏れ出しました。


---


【現在の状況】


場所: 宿屋の個室(バリケード封鎖中)

状態:レベル63、新装備『獄炎鳥の羽衣』入手。

トラブル: ギルドの追っ手(?)が接触を図ってきている。









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