我が家へ
「ふぇぇ……カレンさん! どこに行ってたんですかぁぁ! 迷子になったかと思って、心臓が止まるかと思いましたぁ!!」
1時間足らずでケロリと戻ってきたカレンに、鈴は涙目で抱きつきました。カレンは「クゥ~ン(ちょっとひと走りしてきただけだよ)」と、何食わぬ顔で鈴の頭をペロペロと舐めています。
一方、ヒトミノジの結界の外では、取り残された騎士団が右往左往していました。
「……静かに。……騎士団の皆さん、落ち着いて聞いてください」
ヒルダが結界の隙間から、困惑する騎士たちに冷ややかに告げました。
「……先ほど、カレン様がアステリア方面へ向かわれました。その背には、フィオナ王女殿下と、あの魔導分析官の姿がありました。……」
「な、なんだと!? アステリアへ!?」
「……急ぎ、全軍撤収! アステリアへ向かい、王女殿下の安否を確認せよ!!」
騎士団はパニックになりながらも、ヒルダの言葉を信じて一斉にアステリアへと向かい、ヒトミノジの町にはようやく本当の静寂が訪れました。
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アステリア:冒険者ギルド
その頃、アステリアの広場で魂が抜けたように倒れていたフィオナとシオンは、警備兵によって冒険者ギルドへと運び込まれていました。
「……う、うぅ……。……空が……回っていますわ……(グロッキー)」
「……私の……計算式が……すべて……吹き飛んだ……(白目)」
二人はギルドの酒場の隅で、まるで重い二日酔いのような状態で突っ伏しています。ギルドの冒険者たちは遠巻きにヒソヒソと噂し合っていました。
ヒトミノジ別荘:居間
「……ふにゃぁ。……なんだか、一気に静かになっちゃいましたね」
鈴は、カレンの毛並みをブラッシングしながら、ぽつりと呟きました。あんなに賑やかだった王女様も、しつこかったシオンさんも、そして騒がしい騎士団も、もうどこにもいません。
「……ヒルダさん、ミィアさん。……そろそろ、私たちも『お家』に帰りましょうか?」
「……そうですね。ここでの休暇も、十分に満喫できました」
「ニャー! やっぱり、あのアットホームなダンジョンが一番落ち着くニャ!」
「そうですよねぇ。……やっぱり我が家が一番ですぅ。……あ、でも、この別荘もお掃除して……。」
現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| 桜井 鈴 | Lv.479 | 【帰宅準備】我が家「猫神様のダンジョン」へ帰るのが楽しみ。 |
| ヒルダ&ミィア | 【撤収作業】 | 荷物をまとめながら、平和な日常への帰還を喜ぶ。 |
| カレン| 【満足】 | 邪魔者を一掃して、清々しい気分。 |
| 親衛隊(王女&シオン) | 【戦闘不能】 | ギルドのベンチで、三半規管が回復するのを待っている。 |
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「……さあ、カレンさん! 忘れ物はないですかぁ? ……猫神様も、きっと首を長くして待っててくれてますよぉ!」
鈴たちは、思い出の詰まった別荘に最後のお礼を言い、自分たちの「聖域」である猫神様のダンジョンへ。




