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サイ×サイ×サイ! ー彼は勇者だったー  作者: 赤差棚
第一章 子どもサバイバル

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十話 異世界人生ハードモード

 

 地上と空中との違いは、言わずもがな安定感だ。

 大地という絶対的な足場は、どれだけの力で踏み込んだとしても壊れることはなく、踏み込んだ分だけ反発し、推進力を与えてくれる。

 その点に関して、裏切りは絶対にない。

 跳躍、突進、回避、これらに必要な大前提であると言える。

 一方、空中。

 地上での戦闘が平面、横軸での駆け引きなのと違い、空中にはそれに縦軸がプラスされる。

 仮に自由に飛び回れるとしたら、大幅な自由度が与えられるだろう。

 しかし、人間の体は空に対応出来るようには設計されておらず、俺には空を動き回る魔法なども持ち合わせていない。

 すなわち、落下する自分に対し、空を飛べる龍、不利なのは、、、圧倒的に自分!


「くっ……ぉぉぉぉおおおお!!」


 包丁やサバイバルナイフより明らかに鋭いであろう鉤爪から繰り出される攻撃を、一緒に落ちてきた床だった岩を足場にし、飛び移ることで回避する。


「グォォォォォォオオ!!!」


 次々と攻撃を躱していく獲物(オレ)に我慢の限界が来たのか、アビス・ドレイクは大口を開けて叫ぶ。

 その口の中からは紫色の光が徐々にその強さを増していた。


 前世で死ぬ直前に感じたものに近い、肌をピリピリと刺激する感覚が全身に伝わってくる。

 絶対に、ヤバい。

 間違いなく、これを喰らったら俺は死ぬ。


「おい! 今すぐこいつの頭に乗れ!!」


 突然、神さんからの指示が出る。


「はぁ!?」


「いいから! 早くしろ!!」


「くそっ、、死んだら責任とれよ!」


 神さんの口ぶりから、余程の事態であること、自分の感覚が正しいことを察し、落ちた時の恐怖を一時的に頭から消して即座に滞空しているアビス・ドレイクの頭に飛び乗った。

 飛び乗った直後にアビス・ドレイクの口から放たれた、見ただけで熱さが伝わる紫色の超高温の火炎は足場にしていた岩をみるみる溶かしていく。


「あっっっぶねぇーーー!!」


 間一髪、神さんの指示とはいえ英断だった。

 もし飛び移らなければ、丸焦げどころか骨までなくなってるところだ。


「グォォォォォォォォ!!!!!!」


 安心を得たのもつかの間、敵が頭にいることの不快感と危機感からか、アビス・ドレイクは頭を振り回し、壁にガンガンとぶつけ始めた。


「ぐっ、っあああああ!!」


 まずいまずい。

 全方向からのGにより身体が飛ばされそうになる。

 それにプラス壁にぶつかることによる振動。

 角を全力で掴むための握力が、どんどん無くなっていく。


「おぉい、神さん! 結局ヤバいのに変わり無いんだけどぉ!!」


「いいから、今は耐えろ!!」


 いや、耐えろったってこれは流石に無理だ。

 耐えられたとしても、所詮数十秒しか持たない。

 このままだと振り落とされる。


「一か八、、、か!」


 下からせり上ってくる熱気から、地面が近いだろうと予想し、無防備な体制で振り落とされるくらいならと、アビス・ドレイクの頭から空中に飛ぶ。

 下に広がる景色は見えていなかった。


「おいバカ! 待て!!」


「へ?」


 神さんの警告は、発せられた時には既に遅く。

 俺はもう落ちていた。

 ……マグマの中に向かって。


「お、ぉぉおおおおお!!!」


 異世界に来てから得た経験が咄嗟に身体を動かす。

 落下する軌道上のアビス・ドレイクの体を使い、空で身体を捻らせて何とかマグマの無いところに着地を成功させた。


「はっ、はっ、あっっっぶねぇぇぇ!!!」


 死ぬ! 死ぬところだった!

 心臓が暴れて、変な汗が出てきた。


「ハァッハッ……ハハッ!! ワハハハハハハ!!! ! 見たかよ神さん! 俺の天才的アクロバットを!!」


 コッッッッワかったぁあ!!!

 怖すぎて逆に変なテンションになってきたわ!!


「いや、それよりも俺の言うことちゃんと聞けや! 死んでもおかしくなかったぞ!!」


「うるせー! アンタの言うこと聞いてたらお陀仏になってたっての!」


「ンだと!?」


「何おう!!」


 神さんと言い争いをしていると、上からアビス・ドレイクが急接近してくるのが見えた。


「きたァーーー!!」


 マグマを踏まないように足場がある場所に飛びながら全速力で逃げる。


「神さん、ヘルプヘルプ! 俺じゃ絶対倒せないから! このままじゃ、食べられるか、焼き殺されるから! チョチョイっとやっつけてくれよ!!」


 逃げながらの緊急要請。

 流石に出し惜しみしてる場合じゃない。

 これは俺の手に負える相手ではない。


「ーーいや、無理だ」


 返ってきたのは想定外の言葉だった。


「はぁ!? なんでだよ!」


「俺が『降臨』した時の余波で恐らくお前の足場が消えちまう」


「まぁじか!!」


 なぁんて、小回りの聞かない神だこと。

 足場が無くなるってことは、俺の足がマグマダイブするってこと。

 この世界なら足くらい治るのかもしれないが、絶対に痛いし怖すぎる。


「それに、この空間は俺らが落ちてきた穴からドーム状に広がってるが、落っこちすぎてお前を『降臨』の制限時間内にマグマの無い安全地帯に持って行けるか、皆目見当がつかん!」


「じゃあ、俺はどうすればいいわけ!?」


 何か、、何か打開策を、、、くれださい!


「……言わなくてもわかるだろ? お前が戦うしかねぇんだよ」


 絶対に言われたく無い言葉が無情にも、神の口から告げられる。


「ッッ〜〜〜!! あぁ! もう!! 何となく……何となくだけど気づいてたよ!!!」


 ちくしょう、この野郎。

 ええ、ええ、薄々分かってはいましたとも。

 でも言わずにはいられない。


「せっかくの異世界転生なのに! もっと色々、楽しいことがあっていいはずなのに! 

 なんでこうさぁ! 俺の人生ハードモードな訳ぇ!?」


奈落の魔龍(アビス・ドレイク)Lv.1


職業

魔獣捕食者(ビーストハンター)Lv.4


物攻:223

物防:551

魔攻:477

魔防:510

敏捷:189


HP:660

MP:195

SP:305



エリウ・ウォーカー

半魔人間(デミ・デーモン)Lv.5


職業

拳闘士(ファイター)Lv.5

軽足師(ライトフット)Lv.1


物攻:84

物防:71

魔攻:46

魔防:63

敏捷:127


HP:192

MP:53

SP:272

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