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RP8 Crash!!

RG400Γと走ったことあるけど、チャンバーからオイル飛んできてすごかった・・・・。

 バスは順調に行先へ向かっている。車窓を流れていく北海道らしい広々とした原野。

 しっかし・・・・かったるいなぁ・・・・・。

 早朝、バイクに乗ったせいか、バスの速度はかなり遅く感じる。

 はぁ~現地集合にすればよかった・・・・・。

「つまらない、って、顔してるわよ」

隣に座るまなかが冷ややかな目をしていた。

「いや、別にそんなわけじゃ・・・・」

あわてて取り繕う。

「ねえ、あんたたち・・なんか、あったの?」

「うん、せっかくなんだし、楽しもう?なぁ」

と通路挟んだ、麻美と肇が俺たちをたしなめてきた。

「そうだな。わるかった・・・昨日まで出かけてて、ちょっと疲れてたんだ。ごめん」

「ふーん・・・・それだけ?」

まなは、横目で俺を眺めて、意味深な言葉を吐いてきた。

「まな・・・・今回、嘘は言ってない。ほんとに昨日まで、いや今朝まで親戚の家にいたんだ。」

「・・・そういうことじゃ・・・ないんだけど・・・・」

まなは口を尖らせて不満気な顔を隠そうとはしなかった。

「ねえねえ、それくらいにして、ほら、見えてきたわよ」

後ろの席の誠と麻美が心配そうな顔しながらこちらに乗り出してきた。

「あ、うん、ごめん。そうね。」

ばつが悪そうに伏し目がちにまなかが答える。

「ごめん、ごめん、何でもないよ。さあ、楽しもうぜ」

俺もカラ元気を絞り出した。

岩見沢市の町中を抜け、郊外へとバスは進んでいく。

小高い山が見えてくると、ふもとあたりに大きな観覧車が目に入る。周りは山と原野が広がり、沿道にはぽつりぽつりと民家やラーメン屋、廃校利用をした施設が目に入る。道内でも大きな遊園地グリーンランドだ。

道道(内地でいうところの県道)から左折し、広々とした駐車場に入った。

駐車場のはずれ、歩道の上に、バス停がひっそりと立っていた。バスはその前で停まった。

「さ、さあ、ついたよ、まなもたくも降りよう・・・・」

気を使っているのが、痛いほどわかるつくろった笑顔を、美香は浮かべていた

「よし、おりるべ、まな」

立ち上がり座席に座っているまなに、右手を差し出した。まなは、差し出した俺の右手をじっと見つめた後、そっと手を添え、静かに立ち上がった。

「・・・ありがと・・・・」

なにか、言いたくなさげな感じでまなは言った。

俺たちのやり取りが何とも言えない気まずさを漂わせた。

「さ、行こう!さあ、さあ!」

誠が口を開くと肇と一緒になって俺の背中を押してきた。麻美と美香は何とも言えない仏頂面のまなの手を引いて、バスを降りた。


グリーンランドは規模は大きいものの、絶叫系のアトラクションはあまりなく、どちらかといえばファミリー向けのものが多い。それでも、広い敷地を利して、多くのアトラクションが点在している。

「いや~、メリーゴーランドも久々に乗ると面白いなぁ~」

「そーねー。10年ぶりくらいだったけど、意外に楽しめたわー」

「俺なんて、前乗った記憶がないもん!」

「ねぇ、次に何に乗る?」

俺たち「まなたく」の前に並ぶ4人は、いかにもグループ交際です、って、雰囲気を周囲にまき散らして歩いている。

青春!

奴ら4人の後ろ姿からはそう聞こえる。

そして、その後ろに控える俺たち2人。

何とも言えない倦怠感を漂わせている。

ちわ喧嘩中!

そういうグレーな空気を醸し出している。

「・・・・・・いいわね~・・・」

唐突に、まなが口をひらいた。

「なにが?」

「付き合うまでが一番楽しいわよね・・・・」

「・・・・・・おれは・・・・今も楽しいよ・・・」

まなは横目でちら見し、

「どうーだか・・・・タっくんはさぁ・・・」

「まな・・・肝心なことを君に言ってなかった・・・・」

「なにさ・・・」

「君が好きだよ・・・・・」

顔が熱くなる。

こんなことを言ってしまえるほど、やっぱり、まなかが好きなんだと思う。

まなは、茫然自失のような顔で見つめている。

「ど、どうした?」

「あ、えっと、そんなこと、言えるんだって、ちょっと、いえ、かなり、びっくりした」

「あ、あ、当たり前だろ?それくらい・・・」

まなはニヤッとした。

「はぁ~・・・仕方ないわねぇ・・・その勇気に免じて、機嫌直すわ」

そういって、まなは俺の左手に腕を絡めてきた。

気が付くと前の4人が振り返り、下世話な笑顔を浮かべ、こちらを見ていた。

よし、今日一日、楽しむぜ!




しかし・・・・・





事件は昼過ぎに起きてしまった。いや、起こされた。




時計の針が13時を大きく回ったころ、さすがに腹がすいた俺たちは、レストランへと向かった。札幌時計台を模したレストランに歩みを進めた。レストランは少し混雑していたが、間もなく14時なろうとしている時間。6人だったが座れないということはなかった。


「いや、思ってた以上におもしろいね!」

「ほんとー。久々にきて最高だわ!」

肇と麻美は学校では見せないような最高の笑顔を浮かべていた。

「ほんとね」

「ああ、まったくだ、お前らも仲直りしたみたいで、よかったよ」

誠は白い歯を見せ微笑んだ。

「いや別に、喧嘩してたわけじゃ・・・」

「はぁ?誰のせいよ。」

「あ、ご、ごめん・・・」

まなにキっとにらまれ、思わずひるむ。

「ま、でも、タっくんが、おかしなことしないと思うし、許したげるわ」

まなのわざとらしい、不機嫌なふりがかえって皆の微笑みを誘った。

和やかな雰囲気でランチは進んだ。

「さて、帰りのバスもせまってるし、そろそろ出ないか?」

と誠が切り出した。

「そうだな、次はど・・・・・こ・・・・」

誠の言葉に応じようと、顔を上げた俺は、言葉を失った。

彼の背後に、思いもかけない人物が立っていたからだ。

「あら。偶然ね・・・たくちゃん」

声を合図に、彼女に全員目を向けた。

朝と同じ、黒のライディングジャケットと、レザーパンツ姿。

きれいに整えられたセミロングの金髪。

抜群のプロポーション。

そう。

「ゆい、ね・・・え・・・・・・・・・なんで・・・ここに・・・・」

「えぇ?ソロツーよ、ソロツー。決まってるでしょ?」

「え、いやだって、ソロツーでこんなとこに来ないでしょ普通!」

「いいじゃない!どこ行こうが。わたしの勝手でしょ?誰かさんが・・・・・・・・・約束破るから・・・・ソロツーになったんだし。・・・・・ね?」

「っぐ・・・」

痛いところを突かれ、言葉に詰まった。

「あのー・・・・」

麻美が恐るおそる口をはさんできた。

「たくみくんのお知合いですか?」

「あら、ごめんなさい、ご挨拶が遅れて。私、あさのたくみのいとこで、ゆい、っていいます。よろしくね」

と、かなりあざとい笑顔で答えた。

「あ、はぁ・・・よ、よろしく」

「お、おねがいします・・・・」

ゆい姉のあざとい笑顔は、誠と肇に効果抜群だった。

麻美と美香には、反対の意味で、効果は抜群だった。そして、なによりも「まな」に。

まなは、すっとその場に立つと、

「・・・はじめまして、ゆいさん。わたし、タっくん、ああ、いえ、巧さんとお付き合いさせていただいてる、久慈まなか、と言います。よろしくお願いします。」

と笑顔で・・・・いや、かなりひきつった笑みを浮かべて、自己紹介をした。

まなの言葉を聞いたゆい姉は俺の顔をチラッと見て、やれやれというような少しおどけた、いや、揶揄うようにニヤっとした。

「あなたが・・・たくちゃんから聞いてたわ・・・って言っても、聞いたの今朝だけどね・・・・」

と今度はキッと俺を睨んだ。

「ま、ま、それはいいわぁ~・・・・・・たくのことよろしくねぇ~・・・たくはさ、変な奴だけど、悪い子じゃないからさぁ~・・・・、なんかあっても、それは、たくが優しいからなのよ。だから・・・よろしく()。」

よろしくね、の「ね」に心なしか力がこもっているような気がするが・・・・気にしないでおこう・・・・。

「こちらこそ・・・タっくん、いえ、巧さんともども、仲良くしてください()

こっちも「ね」に心なしか力が入ってるような気がするが、スルーしておこう・・・・。

自己紹介が終わったが、2人は、見つめ合った・・・いえ、凝視しあった・・・いや、正確に言おう。互いに力強い笑みをしたまま、にらみ合ったまま・・・・だ。

「あ、あの、ゆ、ゆ、ゆいさん、座ったらいかがです・・・・か?まなも・・・すわったら・・・」

張り詰めた空気に耐えられなかったのだろう。美香が声をかけると、まなは静かに座った・・・俺を一にらみして・・・・。

「え、悪いわよ~、私みたいなお姉さんが混じったら、悪いでしょ?」

「え、あ、いえいえ、そんなこと・・・・な、ないですよぉぉぉぉ・・・・・」

麻美はまなかの顔色伺いながらそう答えていた・・・・・。

と、同時に、美香と一緒に、何かを促すように俺を見てきた。

うん、わかったるよ。帰ってもらうよ・・・・。

「あ、ゆいね」

「どうですか、時間あるなら俺たちと一緒にまわりませんか?」

誠の提案に、女子3名はドン引きしている。

「あ、いや、それは誠、わ、悪いだ・・・」

肇は女子の雰囲気を察してたのだろう、しかし・・・・

「あらー、いいの?私も一人で暇してたのよ!いいかしらぁ~、ね、ね、ね、」

という、ゆい姉の押しの一手にあらがうことは難しかった。

そこで、最後の砦として、3人は、俺に事態の収拾をはかるよう、目線で促してきた。

「あ、ごめん、ゆい姉、今日はさ・・・俺たちだ」

「いいですね!いっっっっしょに、遊びませんか!」

両手に握りこぶしを作って、まなは力強く返事した。

まなにより、事態は収拾した。願った形では全くないが・・・・・。

喜びが顔からあふれる誠の隣で、美香が人殺しの目で俺を見てきているが、気にしないことにする。

だって、隣からくる、プレッシャーに押しつぶされそうだから。

投稿ができない日が多いので、字数が多いなあ~。

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