表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/23

RP21 それも青春、これも青春

まあ、一応、水着回です・・・。


 昼食を済ませ、俺たちは、駅ビルやデパートを散策する。地下から地下へと移動し、なるべく外は歩かない。夏を迎えようとしている今、外を歩くのはかなりハードルが高いから。その点、地下は空調が効いていて、快適だ。

「なあ、結局、何、買うんだ?」

小一時間うろうろしたとき、とうとう、誠が女子に聞いた。

(麻美)「え、夏服とか・・・・」

(美香)「コスメとか・・・・」

(まなか)「あと・・・・かわいい雑貨とか?」

「じゃ、僕たち、いなくてもいいんじゃない・・・・」

と、肇が言ってしまった・・・・。

『はぁ?』

ほら・・・・・。

怒らした・・・・。

「あのさ、JKの買い物に付き合うなんて、ご褒美だよ!ごうほうび!!」

「こんなかわいい女子と一緒なんだよ!」

「肇くんさぁ、もてないよ・・・」

3人から交互に詰められるジェットストーリームアタックを食らう肇。

「あ・・・そうだね・・ごめんごめん・・・」

肇は自分の失言が虎の尾を踏んだことに気付いた。

(麻美)「よし、じゃあ、男子のために、次の店に行きましょう!!」

不敵な笑みを麻美は見せた。

女子3人の後を、俺たちはとぼとぼとついて行った。

地下歩行空間をずんずんと進み、とあるデパートに入る。

エスカレーターに乗り、ついた先は・・・・。


「さあ、ここです!」

麻美のテンション高めの声が響いた。

『えっ』

男子3人の声がきれいにそろう。

「ここ、水着コーナーじゃ・・・・」

「いいでしょ~。さ、ご褒美よ!」

俺のつぶやきに、麻美はいたずらっぽく笑う。

いや、もちろん、見たいは見たいけど・・・・・。ねぇ・・・。男子3人でいるのは場違いっていうか・・・。周りの目線が痛いっていうか・・。

「それじゃ、私たち、選ぶからさぁ、意見頂戴ね!」

麻美の積極的な姿勢に、俺たちはたじたじだ・・・・。

「あ、もちろん、たくは・・・・まなの選んであげてね」

「あ、ああ・・・」

「じゃ、タッくん、行こう!」

まなは俺の手を引いて、売り場にずんずん入っていった。




「えーと・・・さっきの方が、いい、かな?」

「え、そうなの?うーん・・・じゃあ、これは?」

まなは、カラフルな水着をつぎつぎ体にあてがいながら聞いてくる。

ま、正直、どれでもいいのだが・・・・。そういう受け答えをしては絶対にダメだ。キチンとみてますよ、っていう、姿勢こそが大事なんだ。たぶん。きっと。知らんけど。

すると、

「よし、じゃあ、試着するね!肇くん来て!」

「え、ぼ、ぼく?いやついてくのは・・・」

「だって、肇が選んだのだよ。見てよ!」

「え、ぼ、ぼく・・・ちょっと・・・」

麻美は半ば強引に肇の手を引き、試着室へと向かった。

唖然とする俺と誠。

「じゃ、じゃぁ・・・誠くん・・・・わ、わたしも試着するからさ・・ついてきて?」

「え、お、おれも?・・・いや、それは・・・」

「だって・・・・・誠くんが・・」

美香は一着の水着を手に、上目遣いで誠に懇願していた。

「そ、それ、俺が選んだんわけじゃ・・・」

「あ、で、でも、感想、ほ、ほしいなぁ・・」

頬を赤らめながらお願いする美香。

これを断れる男子がいるだろうか?いや、いない。

誠も美香と一緒に試着室へと向かった。

「・・・・・・・なんかさ・・・・」

何とも言えない気持ちで彼らを見送った俺は、思わず、まなに声をかけた。

「うん・・・・」

「すごいね・・・・」

「そうね・・・・・「まなたく」なんて、大したことない気がしてきたね・・・」

「・・・・・・・はやく、付き合っちまえばいいのに・・・・」

なぜか、冷めてしまった俺たちは、試着イベントをする気にもならず、さっさと会計を済ませて出てきた。

エスカレーターのわきにある、ベンチに二人で腰掛ける。

「ねえ、タっくん」

「なに?」

「ひとみちゃんのバイク、大丈夫だったかな?」

「え、どうして」

「だって、素人が組み立てたんだよ?故障とか・・・ばらばらになったりしないのかな?」

「うん・・・確かに・・・・・でも、大丈夫だよ。」

「え、どうして?」

「おじいさんがいるからさ」

「え、おじいちゃん?」

「うん、おじいちゃん多分、最後に点検してるよ。」

「うん。間違いない。だって、俺が締めたボルト、違うボルトになってたから」

「あ、そーなんだ・・・」

「さすがに、俺たちだけじゃぁね・・・・おじいちゃん、夜中にこっそり、確認してたんだよ。それじゃなきゃ、大事な孫を乗せないよ」

「そりゃ、そうかぁ~」

まんは、安堵の声を発したその時、

「あ、こ・・・・ここにいた・・・」

誠が俺たちを見つけて駆け寄ってきた。

「おつかれ・・・」

「ずるいぞ!おまえら!!」

「なにが?」

「なんで先に出てくんだよ・・・」

「え、用事がすだから?かしらね?」

「うん。買い物も済ませたし」

「くそ、なんなんだおまえら!この間まで、イチャコラしてたくせに!!お前らが率先してやるくらいしてくれよ!!」

「・・・・・何を言ってるか・・・わからないわね、タッくん・・」

「そうだな・・ま、いいご褒美もらえただろう?」

「周りに・・・・・人がいなけりゃな・・・」

羞恥とうれしさがこみあげている複雑な顔をする誠。

まあ、こういうのも青春の一ページだ。

オイルにまみれて、悪戦苦闘するのも

付き合いが長いとさ・・・・落ち着いてくるわけよ。

いつまでも、いつまでも、ドンパチドンパチできないっていうかさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ