RP9 Retire
ようやく、投稿できた・・・・。
師走にはいり、忙しいです。物語は春ですが。
そろそろグリーンランドはスキーの営業が始まります。
レストランを出て、7人で・・・・いや、正確には3ー2ー2の並びで歩いている。
フォワードは美香・誠・ゆい姉 ミッドフィルダーに、肇・麻美。ディフェンダーに俺とまな。ちなみにDFラインは崩壊寸前です。
「・・・・・あんなにエロ・・・いえ、かわいい?人だったんだ・・ゆいさんって・・・」
「いや、普通だろ・・・」
「は?どこがよ・・・見て、誠なんて・・・あんなデレデレして・・・見てらえれないわよ・・・」
「ま、その・・・・一般的に、可愛い部類に入るとは思うけどさ・・・」
「かわいい?さっきから、タっくんさ・・・・」
「なに?」
「ゆいさんのお尻ばかり見てるでしょ?・・・いやらしい・・・」
「は、見てねえよ・・・」
「うそ。目線でわかるわよ・・・あれなに?バイクパンツっていうの?あんなぴっちりしてたら、そりゃ目も行くわよね」
「いや、別に、そんな特別なもんじゃないし・・・見慣れてるっていうか・・・」
「はぁ?見慣れてる?なに、あんたは、この連休中、ゆいさんの尻ばかり見てたっての?」
「あ、いやそんなわけ・・・・」
あります。今朝も彼女の尻について、小一時間走ってました・・・。
「知らなかったわ。たくがそんなにむ、む、むっつりだったなんて」
「いや、ゆい姉は、姉弟みたいなもんだから・・・・」
「どーだかぁ・・・」
「・・・・・・・・・」
「ねえ、」
気がつくと俺の隣には肇、まなのとなりに麻美が来ていた。フォーメーションが3-4に変わる。
「どーして、ゆいさん誘ったの?」
「そうだよ、たくは断ろうとしてただろう?」
そうだ。なぜゆい姉を引き留めたんだ、まなは。
「みてよ、あの二人・・・」
と麻美に促され、前に並ぶ3人を見る。
誠は上機嫌で話し、笑顔で答えるゆい姉、作り笑いを浮かべて相槌をうつ美香。
誠はゆい姉の色香にやられてしまっている。
ひきつった笑顔が痛々しい美香。
時折俺たち、いや俺とまなを呪い殺すような目を向けてくる。
「たく、何とかしてくれよ。せっかく来たのにさ・・・・」
「そーよ。あんたせいなんだから」
俺たちは顔をあわせ、頭をかしげた。
「よし、タっくん、ゆい姉呼んできて。」
「え、よんできてどうする?」
「いーから呼んできて。」
「ああ、わかった・・・・」
2,3m先にいるゆい姉のもとへと小走りした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「話ってなぁに?まなさん?」
ゆいさんを連れてレストハウスへと私は来た。
「あ、まなでいいですよ。」
「あらそう?じゃあ私のこともゆいでいいわ。たくと同じに、ゆい姉でも。」
屋外にたくさん並ぶ、長方形のテーブル。その長辺にベンチシートが設置されている。私が腰かけると、対面にゆいさんは座った。
「じゃ、ゆい姉。単刀直入にききます。あなたはタダのいとこなんですか?それとも・・・・・」
「なにか特別な関係かって?」
わたしは静かに頷く。
「ふーん・・・聞いてないんだ・・・・そこは」
意味深な笑みをゆい姉は見せる。
ごくん。生唾を思わず飲み込む。
「まぁ~・・・タダのいとこかって言われれば、そうじゃないかもね。」
彼女は・・・・・満面の笑みでそう答えた。
私の胸の中から、何かが湧き出てくるのがわかる。膨れ上がってくる。
「まあ、自分でいうのもなんだけど・・・私って可愛いし、スタイルもこうだからぁ~」
と、ゆい姉は、ただでさえでかい胸を両手で寄せて見せた。
タイトなライディングジャケットでただでさえ目立つが、寄せると恐ろしい・・・・。
・・・・たしかに・・・・・・女のあたしが見ても・・・・変な気に・・・って、
違う違う!
思わず凝視してしまった。
「・・・じゃあ・・・あなたはたくと・・・その、そういう関係なんですね・・・・」
「ふ、はははははぁ~おっかしい!」
「なにが・・・おかしいんですか・・・・」
「ごめん、ごめん、冗談よ。そうゆう関係じゃないわ。ごめんなさい!」
「え・・・」
「まぁ、ただの従妹ってのも、ちょっと違うかな?今は。」
「今は?」
「うん、まあ、年が近いせいもあって、けっこう、一緒に過ごしたのは本当。姉弟みたいにね。」
「そう・・・ですか・・・・」
「あいつね、小さいころは、私と結婚するんだ!って、宣言しててね。」
「え・・・・」
「まあ、小さい時ね。でも・・・・」
「でも?」
「ま、いいわ。一応、彼女できたみたいだし」
「・・・・・・・・」
「ま、いまは、まなさんに貸しといてあげるわ、たくちゃん」
「はぁ?」
「知ってる?たくはねぇ、けっこうスケベなのよ。だから、いっつも、見やすい恰好してあげてるのよ」
「はぁぁ?!」
「きょうも、私の胸とお尻チラチラ見てたでしょ?」
「うっ・・・・でも、それは、他の男子も・・・」
「まあ、そうかもね。でも、私たちはしょっちゅう一緒にいるからさ」
「・・・・・」
「そのうち、たくがオオカミになるかもね~」
「いいんですか?従妹同士で・・・」
「うん、いいのよ~。だって、血縁ないんだもん」
「え!!」
「ああ、私、養子なの。」
「はあぁあああああああぁああ!!」
「だから、そうなって、赤ちゃんとかできても、へっちゃらよ」
「・・・・・・・・」
「まあ、たぶんそーならないわ、たくは、まなちゃんがほんとに好きみたいだから・・・」ゆい姉は少し悔しさを見せていた。
私はすこしホッとした。ゆい姉から見ても、そう思えるんだ、とわかって。
「ただ、「今」は、ね」
と、言葉を続けるまでは。
「未来はわからないでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・あの、ゆい姉は、たくが好きなんですか?さっき、姉弟みたいにって言ってましたけど・・・・」
「そうね・・・でも・・・・」
「でも?」
「期待しちゃうでしょ?小さい時のことでもさ・・・・・」
そう言うと、ゆい姉は頬を赤らめた。
なに、子どもの頃の言葉を、信じてるの?
まじなの・・・・。
(「結婚」するんだ!)
たしかにパワーワードだ。女ならだれしも聞きたい言葉だ。
でも小さい時のことでしょ?
それを今も期待するって・・・・・・。
「たく、だけなの・・・」
「はい?」
ゆい姉は唐突に口を開いた。それまでの明るい口調とは違う、真剣な声色で。
「私の趣味を、生きがいを理解してくれる男は・・・・」
「趣味?生きがい?」
「そう・・・みんな・・・・わかってくれなかった。たく、だけなの、私の生きがいをわかってくれて、一緒に楽しめるのは・・・・だから・・・・」
「だから?」
「いつか、返してもらうわね?」
ゆい姉はにっこり微笑んだ。でも目は笑っていない。
「・・・・いやです・・・・」
「ん?」
「タっくんはものじゃない!貸したり返したりするものじゃない。わ、わたしが、たくの、彼女です!」
ゆい姉はキョトンとした顔をした。
「ふーん・・・・・・わかったわ。・・・でも、わたしがそう思ってる、ってことは、わすれないでね・・・。」
そういうと鋭い目線を私に向けてきた。
「姉弟は姉弟ですよ、ゆい、ね、え、さん」
「幼馴染って、強いものよ、特に初恋相手は。ね、どろぼうねこさん」
『ふふふふふふ』
思わず笑い声がそろってしまった。
「さ、もどりましょう、待ってるわきっと。」
「そうですね。」
私たちは席を立つと、並んで歩きだした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
グリーンランドの大観覧車。北海道で最大の大きさを誇るそうだ。こうして、間近で見ると、その大きさに少々驚く。
「たっく~ん」
「たくちゃ~ん」
背後から聞きなれた2人の声が耳に入る。
観覧車から目を離し、振り返る。
かわいらしく、小走りに走ってくる、まな。
どこがとは言わないが、激しく揺らしながら、走ってくるゆい姉。
「ああ、待ってたよ・・・・」
2人とも、なんだかすっきりした顔をしてい・・・。
ペチン
俺の前に来るや否や、まなは俺の左頬を軽くたたいた。
痛くはないが、思わず左手で自分の頬を撫でた。
「え、っと・・・・なんで?なんかした?おれ・・・・」
まなは、ジトっとした目で俺の顔を見つめてくる。
「いま、どこ見てた?ねえ、どこ見てた?」
「はぁ?なに?どこって?観覧車を・・・」
と言うや、まなの目つきはさらにきつくなり、
「あ~・・・・ごまかしてるっしょ?・・・・」
すると、まなの方をポンとゆい姉が叩いた。
「ね、わかったでしょ・・・もう無意識なのよ。まあ、仕方ないのよ・・・・だから、言ったでしょ・・・たくちゃんはね、けっこうスケベなの。」
「くぅ~・・・・・・・ね、タっくん、みるなら、私のをみなさいよ!」
と突然、姿勢よくなり、まなは自分の胸元を指さした。
「えっと・・・・いつもまなのことは、見ているよ、当たり前だろ?」
「ちがう!もーーーーーーー!!」
え、なんか、おれ、変なこと言ったか?
わけわからん。
「ねえ、ほかの4人のお友達は?」
「ああ、いま観覧車に乗ってるよ」
「あ、そうなんだ」
「うん、あ、ほら、降りてきたよ」
俺が気付くと、2人も俺の目線を追った。
『・・・・・・・・・・・・・』
降りてきた4人の様子に、俺たちは3人は、思わず無言になってしまった。
美香と麻美は笑顔がはじけていたが、誠は、正反対にひどく落ち込んでいたからだ。そして、誠の隣に寄り添う肇が何か一生懸命励ましてるようだった。
そうか・・・・。
女子、二人に・・・密室で詰められたか・・・・。
まあ、あんなけ、ゆい姉にデレデレしたら、面白いわけないもんな・・・・。特に美香・・・・。
「あ、お待たせ、たく。」
肇は俺に気づくと、微笑んだ。
「うん。いや、待ってないさ・・・じゃ、次、行こうぜ」
「いや~・・・そろそろバスの時間じゃない?」
「そうね・・・そろそろバス停に行きましょう?」
麻美と美香がそろって帰宅をすすめてきた。
そうか・・・。そうだよな、ゆい姉から離れるには、それが一番手っ取り早い。
「そうだな、そろそろ帰るか・・・」
「うん、そうね!」
まなも、ピンっときてるようだ・・・・
「あら、そうなの・・・まだ2時30過ぎなのに?今どきの高校生って、たんぱくなのねぇ~」
いや、あんただってそんな変わらんでしょ・・・・。まだ19でしょ。
「・・・それじゃぁ・・・・いこう・・・・か・・・・」
沈んだ声の誠に、俺は何も言ってあげられない・・・・。半分は俺のせいな気もするし・・・・。下手に励まさない方がよかろう。
「ちぇっ、つまんないの~・・・・あ、いーこと思いついたぁ~」
ゆい姉のいいことあスルーしよう。いいことではない。ぜったい・・・・・。
「あのさあ、たくちゃん、私もバスで帰るわぁ」
「はあ?バイクできたんだろ?」
「うん。でもさぁ~・・・疲れちゃったからぁ~バスで帰る」
「バイクはどーすんだよ!」
「たくが乗っていいよ。私のΓ(ガンマ)」
「はあ!お、おれが?」
そういうと、ゆい姉は、さっと、俺の横に近づいてきた。そして、そっとおれの耳元でささやいた。
「あのΓ、実はさ・・・・・・・モニョモニョ・・・」
「え・・・・まじか・・・・マジなのか!!」
「うん!だからおっちゃんの店に一旦あずけてたのよ!」
「どう?」
「うんとね、コショコショ・・・・・・」
「ほ、ほーう・・・それは興味深い・・・」
「でしょ?乗ってみたいでしょ?・・・・・」
魅力的な内緒話・・・・。
ごくり・・・・。
乗ってみたい。
「ちょ、なにこそこそやってんのよ!」
まなが俺たちの間に割って入ってきた。
「え、いや、なにも・・・・その・・・」
「まなっち~・・・・気になる?・・・・・なるよね~?・・・・・そーよねー!」
なぜか、勝ち誇るゆい姉。
「くぅ~・・・・あんた、まさか、この性悪メギツネの言うこと、聞く気じゃないでしょ・・・・・て・・・・・あれ、たくが代わりに乗る?バイクに?乗る??」
まなは全く混乱している。
「ちょ、ちょ、たく、お前・・・・・乗れんのか?」
「たく、免許持ってるのぉー?」
「いつとった?」
「え、巧さんは・・・・ヤ、ヤンキーだったんですね・・・・」
美香が思浮かべたのは、ぶっ〇みの拓なんだろう・・・・そこはスルーしよう。
「・・・・その・・・・・隠す気はなかったんだけど・・・・」
そう。ただ、積極的に話す気がなかっただけ。
「・・・・・じゃあ・・・連休の用事って・・・もしかして・・・・」
まなは俺の前で、腰に手をあて、目を細めて終えをにらみつけるまな。説教を始める教師のようだ。
「せーぃ、かぁーーーーーーい!」
俺の隣から声が響いた。
「あたしとぉー・・・・・二泊三日のロングツーリングに出かけてましたぁーー!!」
『!』
「・・・・・・まて・・・・・・お前ら・・・・なんだ!その目は!!」
5人からの冷たい目線が俺に突き刺さる。
「二晩もいっしょに・・・・お、おまえ!」
「さ、さいてー!!」
「それで・・・まなちゃんに・・・・だまってたのね!」
「たくみ・・・ちょっと、それは、まずいんじゃ・・・・」
ごみを見るような目。
「いや、一緒、って、いったって・・・・・その、いとこだし、親戚に家に泊ったし、そうそう、俺たちの家族も、いたし・・・・・。」
言えば言ううほど、5人の眉間にしわがよる。
「じゃあ、まなに、彼女に、ちゃんと言えばいいんじゃない!」
麻美が切れだした・・・・。
「そうですよ!浮気ですよ、浮気!!」
美香も顔を紅潮させる。
『・・・・・・・』
男子二人はもう、フォローの言葉も出ないようだ・・・・。
「まあ、そう言わないで。ただのバイク仲間、ってことなんだから。ねえ、たくちゃん」
ゆい姉の執り成しがむなしく耳に残る。
「ああ、そういうこと・・・・・ただの従姉じゃないって、そういうこと・・・」
まなは何か得心した顔を見せていた。
「ゆいさんがバイク仲間っていうのは、まあ、分かった。けど、ま、タダの仲間よね。ね、たく!」
え、お、おれが答えるの?
「うん。親戚だよ。仲のいい従姉だ。」
「それだけよね?」
「も、もちろ・・・」
言葉が続かなかった・・・・。なぜなら、隣にいるゆい姉が、俺の右腕をつかむと、力いっぱい握ってきたからだ。
「あ・・・・・ゆ、い、ね、・・・い、いたい・・・」
だが、ゆい姉は、俺には目もくれず、まなを笑顔で見つめている。しかし決して目笑っていない。同じように、まなも笑みを浮かべているが、目は鋭くゆい姉をにらんでいる。
「親戚ならしかたないわよね・・・ただの親戚なら・・・・」
「でも、一緒に過ごした時間は、私の方がまだまだ長いかしらぁ」
2人の様子を俺たちは、無言で見ていた。
いや他人事のようで申し訳ないが・・・・。俺も立ち入れないような何かが二人の間にある気がする。
「あ、あのゆい姉、気が変わらないなら・・・・・・俺、乗りたいんだけど・・・・」
『!!』
俺のその言葉に麻美、誠、美香、肇は目を丸くしていた。
(はぁ?この状況で、逃げるっての?)
(おまえ、当事者だろう?)
(私たちに押し付けていくの?)
(すごいな、たくみ・・・・まねできないよ・・・・)
彼らの声にならない声が聞こえる。
でも、ごめん。
俺は・・・・・・・・・・ここで・・・・
Retireする。
リフト代の高さに、驚愕します。
なんだこれ?もっと道民に優しいスキー場になってほしい。
なお、主人公がクズっぽいのは、そう言う趣向だからです。




