必然的な別れ
空が震え、裂け、終焉の気配が押し戻されていく。彼女の身体はもう少女の輪郭を失い、“世界を繋ぎ直す存在”へと変貌しつつあった。
誠司は拳を握り、涙を噛み殺す。この瞬間を止めることはできない。ならせめて――見送ろう。最後まで、彼女の選択を見届けよう。
「……レイ」声は震え、涙で滲んだ視界の中で彼は祈るように呟いた。「お前の決意を、俺は忘れない」
光が弾け、世界を包み込む。
その最後の瞬間、楓はレイに問いかけた。
「 ねぇ 、貴女の名前は ? 」
一番、いちばん最後の質問。
「 …レイだよ。
春の風の中で、楓と誠司さん、
それ以外にも沢山の、優しさに
出逢えたから 」
ふっと穏やかに笑みが浮かんで
そして、世界は光に包まれた。
彼女は光となり、風となり、
未来をつなぐために消えた。
涙が、溢れて止まらなかった。
レイが、アズリエルが、
自分の名前はレイだと言った。
春の風の中で。
沢山の優しさと、
出会えたから、レイになった。
レイから溢れた光があたりを祝福し、
そしていつもの景色に戻るまで、
楓の涙は止まらなかった。
なんと今回!
一つの章に二人の目線での文が入りました!!
それぞれがそれぞれでレイと別れます。
レイ可愛いだろうな…(私情




