“堕とされた”
起承転結でいったら、ここは転なのでしょうか…?
すごい急展開で何があった!?みたいな感じになると思います…。
志音町の夜空には、深い裂け目のような光が広がっていた。その下で、誠司は楓とレイをかばうように立っていた。少女の肩は小さく震え、怯えの色を隠せない。
黒い翼を広げた男――ルカエルは、屋上の縁に立ち、冷ややかな瞳で三人を見下ろしていた。
「……アズリエル」
低い声が夜を震わせた。レイ――いや、かつて天に在った存在の名を呼ぶその響きに、少女は反射的に身を竦ませる。
誠司は思わず前に出て遮った。「彼女はレイだ。その名で呼ぶな」
ルカエルの口元が嘲笑で歪む。「名を変えようと、本質は覆せぬ。――お前は“天の記録者”アズリエル。魂の循環を記録し、禁忌の秘密を知ったがゆえに堕とされた者だ」
「……禁忌……?」楓が掠れ声で問う。
ルカエルは両翼を広げ、夜風を巻き起こしながら言葉を続ける。
「この世界では、人間の魂は死後、天界に還り“光”となる。その光は新たな命として地上に降り、再び生を繰り返す――それが魂の循環だった」
楓と誠司は息を呑む。レイは黙ったまま、震える瞳でルカエルを見上げていた。
「だが天界は、その光を――魂を、己らの力の糧にしすぎた。果てなき欲望により、循環は崩れた。地上に新しい命は生まれず、代わりに“終焉”が世界を蝕み始めた」
彼の声は夜に溶ける鐘の音のように響く。
「そして天界は己の罪を隠すために“調整”を行った。戦争を起こし、疫病を流行らせ、必要とされるだけの死を作り出し……循環がまだ続いているかのように偽ったのだ」
楓の顔が青ざめる。「……じゃあ、人の苦しみは……」
「すべて仕組まれたものだ。だがそれも、もう限界だ。魂の光は枯れかけている。――そこで選ばれたのがお前だ、アズリエル」
ルカエルの視線がレイに突き刺さる。「お前は“器”。魂の光を一つに集め、再び循環を動かすための器だ。天界はそれを恐れ、同時に望んでいる。だからお前は堕とされた。己の選択が、世界の終焉か、再生かを決するのだ」
屋上に沈黙が落ちた。誠司は拳を握りしめ、楓はただレイの名を呼ぼうと唇を動かす。だが少女は答えられない。心の奥で――封じられた記憶の扉が、かすかに軋みを上げて開き始めていた。
どうでしたか!
ぜひコメントくださいね!
あとがきって何書けばいいのかほんとに不明…




