名前
視点が変わります!
新鮮でいいんじゃないでしょうか…!
――白い。
レイは夢を見ていた。目の前には果てしなく広がる白い空間。風もなく、音もなく、ただ光だけがある。
その中で、誰かの声がした。
(……レイ……)
優しい。けれど、遠い。名前を呼ばれた瞬間、胸がきゅっと締めつけられる。
“名前”。そう、どこかで自分は確かに呼ばれていた。けれど、その記憶は霧の奥に隠されていた。
◇
視界が揺れる。羽ばたきの音――いや、それは自分の背から響いている。背に、大きなものがあった気がする。白く、柔らかな、光を帯びた――翼。
(……選ばれし器……)
低い声が響いた。その意味はわからない。けれど冷たく突き刺さる響きが、胸の奥に沈殿していく。
◇
次の瞬間、空が裂けた。光に満ちた天蓋が黒い亀裂に覆われ、冷たい風が吹き込む。
「――――」
誰かの叫び。腕を掴まれた。強く、乱暴に。そして、背から白い翼が――焼けるような痛みと共に、千切れ落ちていく。
(やめて……!)
声を出そうとした。けれど、喉は凍りついたように動かなかった。視界が、暗闇へと落ちていく。
◇
「……っ」
レイは目を開いた。そこは診療所の一室。窓から差し込む午後の光が、現実に引き戻す。
夢のはずなのに、胸の奥のざわめきは収まらない。
(……私は……なぜ……)
思考が途切れる。その先を思い出すには、まだ何かが足りなかった。
◇
ドアがノックされる。「レイ、入るよ?」楓の声だ。
レイはわずかにためらい、かすかに「……うん」と答えた。
その瞬間、楓の顔がぱっと明るくなるのがわかる。ほんのそれだけで、胸のざわめきは不思議と和らいでいった。
――怖い夢を見ても、この人がいると安心できる。
その感情に名前をつけることは、まだできなかった。
どんな感じに仕上がっているんでしょう…?
自分ではよくわかりません。
良いと思ってもらえたら嬉しいです!




