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プロローグ
風が止まった。
それは、気づかないほどに静かな異変だった。空は翳り、太陽は言葉を失ったように淡く、冷たくなった。人々は疲れ、争いは憎しみへと変わり、希望という名の灯火は、ひとつ、またひとつと消えていった。
その終わりは、静かに、そして確かに、始まっていた。
この世界は、長くもたない。誰もがそれを知りながら、誰もが口にはしなかった。変わらぬ日々にしがみつくようにして、誰もが、終わる理由を見ないふりをしていた。
だがその日――風が、舞い堕ちた。
高く、高く、誰の手も届かないはずの天より、一筋の白い光が流れ落ちた。それは、炎でも稲妻でもなく、冷たく、涼やかで、まるでひとしずくの涙のように、空から落ちてきた。
何かが始まる気配があった。それは救いか、それとも終焉か――まだ誰も知らなかった。けれど、その風が吹いた瞬間、確かに世界は、ほんのわずかに揺れた。
其れは涼やかに舞い堕ちた。
それが、終わりのはじまりだった。
それが、希望のはじまりだった。
とうとう書き始めました…!
頑張って書かせていただきます!
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