寒空に思い出すこと
ふと見上げた空は
まるで誰かが悪戯したようで
羽目を外していて
それでいて素晴らしい日々
寄せては返す波
落ち着いた穏やかな海
色褪せていく校舎
夕陽に照らされたピアノ
遠目で見える地球が
あんなにも青いなんて
あなたにはきっと
信じられないでしょう
誰かに届くわけではないけれど
ふと呟いたさよなら
まるで手を振りながら
さめざめと泣いてるようだった
冬に亡くなった
あなたのことを
連れていくように
ゆっくりと落ちていく夕陽
変わりに登り始める
月は少々欠けていて
完璧ではないけれど
それでも優しい形をしていた
幼い頃に二人でつけた
ありふれた星の名前
あなたが一人で決めてしまった
冬の結末
もしもこの世界が
あなたのことを変えてしまって
生きていくことを
辞めてしまったとしても
私の心には残り続けるから
無かったことにはならない
寒空の下にいると
思い出してしまう冬の全て