私と悠の会話
これは、悠がまだ幼稚園児だった頃の話。
夜勤前の朝。眠い目をこすりながら、父は任務に就く。
任務名:「兄弟別々ルート・ハイスピード輸送作戦」――通称、送り出し大作戦!
まずは兄・賢を登校班に合流させるべく、徒歩でGO!
一方で、弟・悠はチャイルドシートに乗せて、自転車でブーン!
私は悠を乗せたまま、まず小学校、次いで幼稚園へと全速前進!
その途中、ふと私は思った。
「ねぇねぇ悠くんさぁ。お父さんが悠くんを乗せて、自転車こいでるんよ。これってさ、お父さんが重たいけぇ、ちょっと可哀想って思わん?」
悠「え?お父さんが僕を乗せて自転車こいでる?」
私「そうよ」
悠「それってつまり、僕がもしお父さんを乗せて自転車こいだら――」
私「うん」
悠「僕が重たいけぇ、僕が可哀想じゃん!」
私「おいッ!そっちの発想!?」
悠「だってさ、重たいのは乗せられる側じゃなくて、こぐ側でしょ〜?」
私「まぁ…理屈は合ってるけども!じゃあさ、お父さんは可哀想じゃないん?」
悠「うん」
私「どのくらい?」
悠「ぜ〜〜〜んぜん」
私「ズコー!!(心の中でコケた)」
悠「むしろ、お父さんラッキーじゃん。僕を乗せてるだけだし」
私「ラッキー!? 何のガチャ引いたらこの展開なんよ!?」
そして私は、ちょっとした仕返し(もとい教育的指導)として、わざとフラ〜っと自転車を用水路の方向にフラつかせる。
悠「ちょ!ちょちょちょ!お父さん!落ちる!落ちるってばぁああ!」
足をピーーーンと伸ばして、めっちゃ焦る悠。
私「ほら〜、危ないことするねぇ、悠くんは〜(ニヤリ)」
悠「いや!今の危ないの、お父さんやし!!」
私「え、お父さんがそんな悪いことすると思う?」
悠「したしッ!!!証拠は今のやつッ!!フン!!」
…そんな感じで、送り迎えの朝は、ほぼ毎日が親子漫才。
子どもたちをちょいちょい揶揄いながら、
内心めっちゃ楽しんでる父でございました。チャンチャン♪




