21 やぁーやぁーやぁー。
洗面所のドアがノックされるまでが凄く長く感じる、来ちゃったのかな、メリッサ。
それとも他の。
って云うかパトリック達と言い合いしちゃったし、緊張してるし、長く感じちゃぅ。
《もう大丈夫だよイーライ》
「誰だった?」
《ウチの妹だった、けど直ぐ追い返したよ》
「で、どうして目の前で立ち塞がったままなの?」
《イーライ、少し興味深い事が起きたんだ、ウォルターに》
「うん?」
《驚くのは良いんだけど、出来れば引かないであげて欲しい》
「うん?」
《引かないでね?》
「あ、うん」
目の前には、可愛い少女が。
誰、しかもベッドの上で彼シャツしてんの。
『この外見は、どうなんだろうか』
「ウォルター?」
『魔道具で性別を変えている、この学園に秘匿されている、初代が使用していた魔道具だ』
《1つしか残って無いんだって》
「えっ、え?」
『他の魔道具でなら、もう少し成長した姿になる筈、かなり印象は違うかも知れないが』
《ヤれそう?》
いや、コレ。
「ヤっちゃマズい年齢だ、って所で止まって、それ以外の感想が無いんだけど?」
《だよねぇ》
『何かの指標になればと思ったんだが、やはり難しいか』
「って言うかその魔道具」
《さっき教えられた》
『ココに戻った時点で知っていた、そして少し前にも、試してみた』
「まぁ、確かに全然違うけど」
『こうなると父親に似るらしい』
《結局、想定が難しいまま、だから心配なんだって》
『この魔道具の事は王族の中でも限られた者だけしか知らない、学園長すらも存在を知らない、しかも1つだけ』
「それ、僕が使ったら幼女になっちゃうのかな?」
『そう試し、もし私もパトリックも反応しなかった場合、君は嫌な思いを』
「そこはもう、お互いに慣れる努力をしてみて、それでもダメなら。そこは、頑張って子供を作って欲しい、じゃないと失踪する」
《女王に頼んで、だよね》
「それに神様にもお願いする、じゃないともう、死ぬしか無くなっちゃうんだもの」
いつか子供が欲しい、と言い出されるかも知れない。
そんな不安をココでも一生抱えたまま、誰かと一緒に居たくない。
ならどうにかして他の人を見るか、子持ちを探すか、死ぬか。
《分かった》
『着けて直ぐに、一瞬で変身が起きる、痛みは無い』
「よし、じゃあ着けますよ」
何かの冗談なんだろうか。
『イーライ、指輪は』
「ほら、あ、声が違う」
《けど顔が》
「ぉお、一緒だ、良かった」
『いや、だが体が』
《ちゃんと無い無いしてる?》
「あ、コレ、無い気がするけど、確認するの、ちょと怖いかも」
《じゃあ》
『パトリック、ココは私が』
《いや寧ろ僕じゃない?》
『それでもし』
「僕の股間の事で争わないで?って言うか同時に見れば良くない?」
『まぁ、確かに』
《よし、じゃあはい、捲って》
「コレ、凄い、恥ずかしい」
本来、有るべきモノが無い。
いや、女性体なのだから当然で。
けれども少し寂しいと言うか、物足りない感覚が。
《無い無いだけど、構造はどうなんだろ》
「ウォルターは自分で自分の確認した?」
『いや、寧ろ、どう確認すべきだったんだろうか』
「手鏡で、こう」
《自分で見る?》
「いや無理」
《じゃあ、ベッドに行こうか》
体つきは確かに女性寄りで、丸みを帯びている気もするが。
イーライは華奢過ぎて判断が難しい。
「コレ、凄い恥ずかしい!」
《ウブじゃないんでしょ?》
「でもコレ恥ずかしい!凄い、何だコレ、何だろ」
《はいはい、深呼吸、目を瞑って》
「大丈夫?変じゃない?」
《パッと見はね》
「あー、凄い緊張する、嫌じゃない?大丈夫?」
《男の子のイーライも好きだけど、ずっと、こうだったら良いのになって思ってた》
『あ』
「もー」
可愛い。
《嫌だった?》
「嫌じゃないけど」
《まぁ、取り敢えずは僕もウォルターもしっかり反応したし、大丈夫でしょ》
『寧ろ、良くパトリックは自制心を保てていたと思う』
「ね、うん」
《だって、どっちにしてもいきなりは痛いでしょ?》
「まぁ、多分」
《よし、お風呂に行こうか》
「あ、うん」
『任せた、シーツを変えておく』
最初に思った通り、イーライは女の子が似合う。
可愛い、凄く可愛い。
「どっちが良い?」
《どっちも、けどコッチはずっと妄想してたから、夢が叶って嬉しいなって感じが大きい。優劣は今の所は無い、どっちも可愛い、どっちともしたい》
ウォルターが居てくれて良かった。
多分、無限に触ってたと思う。。
だってさ、反応が。
「喜んでくれてるのは嬉しいんだけど、コッチは、最後が良いな」
《うん、赤ちゃん出来ちゃうもんね》
一瞬、女の子だったらって思ったけど、それだと問題がもっと大きくなってたかも知れない。
僕と婚約して、周りから狙われて、それこそ僕が破棄されてたかも知れない。
それか、早々にウォルターに奪われてたかも。
「何を考えてるの?」
《もしかしたら、イーライが男の子で良かったのかもなって、今頃はもっと大騒ぎになってたかもだし》
「あー、けど僕はどっちの婚約者になってたんだろ」
《少し運命がズレてたら、ウォルターかも》
「じゃあ男の子で良かったかもね、僕は2人を得られるんだし」
《覚悟が決まった?》
「うん、魔道具を探しに行こう。コレは学園の、王族のだし」
《頑張れば王妃様になれるかもよ?》
「女王陛下には悪いけど、イヤ、面倒はイヤ」
《だよね、分かる、ずっとこうしてたいもん》
「けど、少しは役に立ちたい」
《程々にね、下手に重用されても忙しくなるだけだろうし》
「旅の支度、初めてだ」
《キャサリンも同行させるから、慣れた人に任せよう》
「うん」
可愛い。
どっちも可愛いイーライは、本当に凄い、可愛い。




