2話
書き溜めしておくということを知りませんでした!
今回も出来上がり次第で投稿いたします!しばらくは不定期な投稿になりそうです!
原稿ペースを上げれるようになったら、書き溜め分を作っていくようにします!
午後の授業も淡々と過ぎていき、放課後となった。
俺は鞄を手に、早々と帰路についていた。
今日は父さんから、お客が来るから早く帰ってくるよう言われてあったのだ。
電車に揺られてしばしの時が立ち、最寄りの駅へ到着する。改札を抜けると、ふと前方から声を掛けられた。
「新吾〜。おーい」
「お、珍しいね。今帰り?」
「そ。お父さんから早く帰ってこいって言われてたし」
声を掛けてきたのは久我山未春、俺の姉だ。
「今日誰が来てんの?」
「聞いてなかったっけ?小山のお父さんと玲花ちゃんだよ」
「ほーん。そりゃまたなんで?」
「さぁ?いつも通りお父さんと呑み行くんじゃない?」
適当な会話をしながら、並んで歩く。駅から家までは近く、あっという間に到着だ。
家の鍵を開け、ガチャリと開ける。その扉に合わせてズレて、姉を先に入れさせる。
「お、さんきゅ」
「あいよ」
姉に続いてリビングに向かうと、そこには既に小山のおじさんと玲花ちゃんがいた。
「おぉ、未春ちゃんに新吾くん。おかえりなさい」
「ただいまです。玲花ちゃん久しぶり〜!」
「あ!未春さん!お久しぶりです〜!」
姉は玲花ちゃんと二人、楽しそうにキャッキャしてる。
小山昇。父の職場の後輩だ。久我山家とは家族ぐるみの付き合いがある。
そして横で姉とはしゃいでるのは小山玲花。茶色掛かった黒髪を、三つ編みで結った髪型が特徴的な活発系美少女だ。
そしてこの玲花ちゃんは学内で出会いのない俺の、数少ない女の子の知り合いだ。
「じゃあ玲花、パパはこれから先輩と呑み行くから、未春ちゃんと新吾くんに迷惑掛けないようにな」
「パパ、それもう聞き飽きた!未春ちゃんに迷惑掛けないって!」
「なぁ玲花ちゃん、俺は?」
敢えて俺をスルーしたであろう玲花ちゃんは、こっちを見てニヤッと笑った。
「新吾くんは〜、別にいいや!」
この娘、俺には態度が悪いのだ。姉が俺に接する態度をみてか、昔から俺に対しては名前にくんをつける以外タメ口で、ちょっとナメてる節がある。だが最近はそれだけではなく……。
「こらこら。全く、すまんな新吾くん」
「あぁ、いえ!お気になさらず!いつもこんな感じじゃないですか。妹ができたみたいで嬉しいですよ」
「え〜、新吾くんがお兄ちゃんはない!むしろ玲がおねえちゃんみたいな感じだよね〜、未春ちゃん?」
「ね〜。」
姉と玲花ちゃんは息ぴったりだ。年々俺をイジる回数とレベルも上がっている気がする。
玲花ちゃんの姉からの影響に不安を募らせてると、階段を降りてくる音が聞こえてきた。
「おかえり。話は聞いた?」
「ただいま。呑み行くんだっけ?」
「そう。だから玲花ちゃんと3人で適当に晩御飯は済ませといてくれ」
「勿論!ね〜!」
「ね〜!」
姉と玲花ちゃんは向かい合って頷き合った。
「じゃあ昇、行こうか」
「わかりました、先輩!じゃあ未春ちゃんに新吾くん。玲花をよろしくね」
おじさんはそう言って席を立つ。
二人を見送りし、リビングに戻る。
「さて、と」
俺は一度深呼吸し、玲花ちゃんの横の椅子に腰掛けた。
「改めてこんばんは。玲花ちゃ――
瞬間、後ろから頭をパシンと叩かれた。
「こぉら新吾。玲花ちゃんにちょっかいかけない!」
「いった!なんだよ、未春!ちょっと玲花ちゃんとお喋りしようとしただけじゃん!」
「ふーん?玲花ちゃん、こいつエロだから気をつけなよ〜」
「はい!わかってます!ほら新吾くん、玲もパパからご飯代貰ったし、どっか食べ行くんでしょ?」
「エロってなんだよ!俺は別にそんなつもりじゃ……あぁはいはい!わかりました!」
観念した俺は、二人の後に続く。そこでふと玲花ちゃんは歩速を緩め、俺の横に並び、耳元で囁いた。
「玲も新吾くんと二人でお話ししたいけど、それはまた今度ね」
そう言い、イタズラっぽく微笑む玲花ちゃん。
そう……。この娘、絶対俺の事好きでしょ!?