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2.目を覚ましたら知らない天井……ってここどこ?

 目を覚ました時、私は知らない場所にいた。



 だから思わず大声をあげてしまったのだけど、此処は何処!? ええっと、昨日どうしていたっけ? 自棄になってお酒を飲んでしまって……というか、此処は寮じゃないから無断外出しちゃった?? 



 ちゃんと服は着ているし、最悪のことにはなってなさそう……だけど、此処はどこ??

 困惑している私の耳に、一つの声が入ってくる。




「起きたか。ユリアンリ」

「ええええええ。マヒーユ様!? えっと、私、なんで此処に? そして此処は何処ですか??」



 美しい金色の髪と茶色の瞳を持つ男性――先輩騎士のマヒーユ様の姿に驚く。



 マヒーユ様はあのマリアージュ・フロネア様の三男で、騎士としての実力もある凄い人だ。同じ騎士だから交流を持ったことはあるけれど……、なんでマヒーユ様が此処にいるのかはさっぱり分からない。




「酔っぱらって眠っていたから、そのままにはしておけなくてマリ姉さんの家にとりあえず連れてきた。寮にも連絡しているから安心しろ」

「……此処、マリッサ様の家なんですか!? ご、ご迷惑をおかけしました!!」



 マヒーユ様の言葉に私は慌ててそういう。



 だってマリッサ様にまで迷惑をかけちゃうなんて……!! マリッサ様はマヒーユ様のお姉様で、王都で家族で暮らしているのは有名な話だ。マリアージュ様とグラン様のお子様たちは皆、それぞれ活躍なさっている。





「気にしなくていい。マリ姉さんが朝食の準備してくれているから、起きて着替えれば?」

「……ええっと、というか、私いつ着替えて」

「マリ姉さんが着替えさせてた。流石に俺はやってないから安心していい」




 マヒーユ様からそう言われてほっとしたけれど、結局マリッサ様に迷惑をかけてしまっている……! と申し訳ない気持ちでいっぱいになった。




 マヒーユ様が部屋から出て行ったので、私はすぐに着替えを済ませる。それにしてもこうやって勤務時間外にマヒーユ様と交流を持ってしまうなんて、嬉しいことだけど他の子からやっかみを受けるかもしれないわ!




 元々とても異性に人気な人だから。見た目や騎士としての活躍もそうだけれど、英雄の息子というのもあってより一層色んな人がよってくる方だ。

 ただの騎士で、下位貴族の娘である私にもこうやって優しくしてくださるところからも人気な理由が伺える。




 これからマリッサ様の作ってくれた朝食を食べる……もう本当にそれだけでも非現実的というか、落ち着かない。

 ただでさえ酔っぱらっている様子を見られてしまっているのよね? うん、本当にやらかしてしまった……。

 マリッサ様やマヒーユ様と会うって分かっていたらあんなに呑まなかったに。はっ、でもそもそもこれだけ酔っぱらわなかったら此処に来ることもなかったのだろうけれど。



 私は落ち着かないまま、部屋を出る。

 美味しそうな匂いが漂ってきて、お腹がぐぅっとなる。




「ふふっ、お腹がすいているのね。どんどん食べていいわよ!」



 その声のした方を向けば、金色の髪の綺麗な女性――マリッサ様がいる。



「おはよう、騎士さん!!」



 そして元気に挨拶してくれるのは、小さな男の子。おそらくマリッサ様の息子であるリカレー君だろう。どうやらマリッサ様の旦那様は家を空けているらしい。



「ご迷惑をかけてしまってすみません!!」

「気にしなくていいわ! にぎやかな方が楽しいもの。ユリアンリはマヒーユと同じ騎士なのでしょう? この子、どう? ちゃんとしてる?」



 楽しそうに笑いながら、マリッサ様はそう問いかける。



「マリ姉、何聞いてるんだ? 俺はちゃんとしてる」

「あら、マヒーユには聞いてないわよ。ちゃんとしているかどうかは客観的に見てってことよ。どうかしら?」

「マヒーユ様はちゃんとなさってます!」




 私はマリッサ様からの問いかけにそう答える。



 それにしてもマヒーユ様とマリッサ様って仲が良いのだなと思う。私も弟と妹と仲が良い方だとは思うけれど、家によっては兄妹仲が良くないなどもよくある話だ。



 跡目争いで、血を見る展開になったりとかもそれなりに聞く。

 そんな中でフロネア伯爵家という英雄一家が仲睦まじい様子を見せているのは凄いことだと思う。皆様自由に好きなことをしている様子が伺えて、マリアージュ様とグラン様がそういう風にお子様たちを育てたのだなと思う。



 朝食を食べた後、


「一緒に出勤するか?」



 とそんな風に提案されたけれど、流石にそれは断った。




 だって寮に帰らなかった後、マヒーユ様やマリッサ様と一緒に出勤するなんてことをしてしまったら、大変なことになるもの!




 まぁ、私がマリッサ様の家に泊まってしまったことは目撃されていたらすでに広まってしまっているかもしれないけれど……、でも流石に朝から一緒に向かうはやらない方がいいと思う。

 そういうわけで私は一人で王宮へと向かうことになった。




 今回はたまたまマヒーユ様が私を見つけてくださったけれど、お酒を飲みすぎると取り返しのつかない事態になるかもしれないから今後気をつけないと!! そう私は決意するのであった。



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