序章
初の作品です。誤字脱字あれば報告お願いします。
「はぁ。今日も契約が取れなかった。会社へ帰ったら怒られるな」
月がかなり綺麗に見える時間帯でもうどこかへ訪問するには難しいため、会社への帰路をトボトボと歩く。
「よし、気分を変えるためコンビニ寄ろう。小腹も空いたし」
コンビニで水とソーセージを購入し、近くに神社があるのでそこで食べようと思い足を向けた。
神社まであと少しのときに神社の方から動物同士の喧嘩するような声が聞こえた。いつもならスルーするのだが、購入したソーセージが食べたいのと興味本位で神社の境内に入った。
距離があり少し見え難いがそこには野犬とキツネが睨み合っていた。近づこうとしたら野犬の方がキツネに攻撃を仕掛け始めた。体格の違いがあるのでキツネは逃走を始めあろうことか自分の方へ向かってきた。
両者とも自分に気づき野犬の方は逃げていったが、キツネの方は少し動いただけで寝転んでしまった。どうやら自分が来るまでの間に怪我を負っていたようだ。
「怖くないよ。水あるから飲みな」
と優しく声をかけ近づく。どうやら相当痛いらしく怪我をしたところを舐めていた。
「いい子だ。ゆっくり飲めよ」
水飲んでくれたがそれよりなぜかオレを恐れない。なぜだ。
「怪我痛いと思うけど、早く治るには何か食べた方がいいのかな?あんまり人間の食べ物を与えるのは良くないが、まあ焦らず食べな」
この際だからソーセージもあげようと包装紙を開け差し出した。キツネは不審に思いながらソーセージの臭いを嗅ぎ食べてくれた。
「全部食べたな。じゃあオレ行くから怪我早く直るといいな」
ちょっとした満足感が得られ会社へ戻ったが、上司から怒られたのは言うまでもない。
翌日、出社途中に昨日の神社があるので気になったので立ち寄ることにした。境内を少し探したが残念ながらキツネはいなかった。せっかくだから本殿へ行き賽銭箱に5円玉を入れお祈りをしておいた。
「いやぁ、今日の契約思った以上に取れたな。昨日まであんまり契約取れなかったのになぁ。昨日良いことして、今朝お参りしたからか?」
と周りに人がいたら不審がられる位、にやけていた。。
会社からの帰路、コンビニに寄りソーセージと水を買い神社へ寄った。一応神様へお供え物としてどうかと思ったが、なぜかその2品を購入していた。神社の本殿前で購入したビニール袋に入った2品を行儀が悪いと知りつつもお賽銭箱の上に置き、5円玉を投げ入れ目を閉じ今日の報告をした。
「今日はオレでも驚く位契約が取れました。ありがとうございました。さて、昨日のキツネは元気にやっていますか?・・・ん?あっあれ・・・?・・・なっ無い。どこだ・・・?」
目を開けたらお賽銭箱の上に置いておいたソーセージと水がビニール袋ごと無い。周りに人の気配は無く誰かが持って行くとかはない。お賽銭箱の周りや本殿下を見たりして長時間探したが発見できなかった。
時刻は深夜23時。家に帰りつきベッドの中で今日の現象を考えた。
「今日購入したレシートあるから購入したのは間違いない。そして確かに賽銭箱の上にソーセージと水を置いた。目を閉じてなのも1分もかかってない。付近に人の気配も無かった・・・。あれ?品物だけ神隠し?・・・え?う~んまぁとりあえず寝て明日神社へ寄って、せめてでもゴミがあるかも知れないから探すか」
物がなくなったことに怖いと思った感情を抱きながら深い眠りに入るのであった。
「・・・どこだ?ここ?」
部屋で寝ていたはずなのに、起き上がり空を見ると雲一つない晴天で周囲は緑が広がる草原だった。




