第3話 初めての戦い
「きゃぁぁぁ~だれか~」
女性の声が聞こえた瞬間、俺の体はゴブリンが通りすぎた先に向いていた。
「はぁ、これがフラグか···異世界に来てさっそくフラグを回収するとは···しかしまぁ、やっぱり俺は日本人ってことなのかな?叫び声が聞こえてきただけで助けにいくなんて、それも命を賭けて···さすがの日本人も命までは賭けないだろう。はぁなんで俺はここまでしているのかな~?なんで死ににいくような真似してるのかな~まぁ死にたいとは願ったけどさぁ~少しぐらい異世界での生活も送りたかったんだよなぁ~」
なにが俺をそこまでしているのかは分からない。自分の口から愚痴がどんどんこぼれていくが体はまっすぐゴブリンに向かっている。
20秒ぐらい走っただろうかゴブリンが見えた。そのすぐ側には小さな女の子がいた
ゴブリンが見えたところでゴブリンが女の子に向かってこん棒を振り上げた。
「間に合わない」
俺はとっさに近くに落ちていた石を拾いゴブリンに投げつけた。
うまくゴブリンの頭に当たりゴブリンが振り返る。
「さて、戦闘開始だ」
俺はそういいとりあえず石を拾ってゴブリンに投げまくる
《スキル『投石 Lv1』を獲得》
なにか聞こえた気がした。だが今はそんなことに構っている暇はない。
「ダメージは·····全く無しか」
投石ではダメージは無しに等しかった
しかし注意を反らすことができただけでもマシだろう
だんだんゴブリンが近づいてくる。焦る、焦る、焦る
そして遂にゴブリンは俺の目の前まできた。こん棒を振り上げる。こん棒が振り下ろされる瞬間、女の子の方からナイフが飛んできてゴブリンの左太ももに刺さった。
「グギャギャ、グギャ~」
グギャグギャしか言っていないが悲鳴をあげていることはわかった
「これだ!」
俺はゴブリンの後ろに回り込み太ももからナイフを抜いた
「グギャァァァ」
ゴブリンは痛みに悲鳴をあげているが俺の知ったことではない
《称号『無慈悲』を獲得》
とりあえず俺はそのナイフを持ったままゴブリンの周りを走りまわりながらちょっとずつダメージを与えていった。
「ぐっ、」
ゴブリンが振り回したこん棒が左腕にあたる左腕が簡単に折れたそれに何かがぐっと減ったのが分かる。たぶんHPだろう。それに体力もそろそろ底をつく心なしか息もあがってきた。
もう決着を着けないと殺られる、俺の直感がそういっていた。
《スキル『痛覚削減 Lv1』『直感 Lv1』を獲得》
気のせいだろうか?少し痛みが和らいだ。
俺は足を止めてナイフを構え直す。
「狙うは一点···心臓だ」
俺はゴブリンの左胸にナイフをたて真っ正面から突っ込んだ。
ザクッ
心臓一突だった。ゴブリンから血が流れる
勝った。そう思った瞬間俺の体はぶっ飛ばされた。
左胸、心臓部分を刺したのだか俺の力が足りなかったと思われる。心臓には届いていなかったのだ。
「あばらの骨····何本か···いったな·····」
呼吸ができない。息が苦しい。口の中に血の味が広がる
《熟練度が一定に達しました。スキル『痛覚削減 Lv1』が『痛覚削減 Lv2』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『痛覚削減 Lv2』が『痛覚削減 Lv3』になりました》
「うるさい、うるさい、うるさい、うるさい」
倒れている俺にゴブリンが近寄ってきてこん棒を振り上げた
「あぁ····俺死んだ···」
幸い助けた女の子はいなくなっていたので安心した。
《女神プログラム起動 『不死』の能力を行使。対象者を復活させます。また対象者にプレゼントスキル贈呈『再生 Lv1』を獲得》
目が覚めたときゴブリンにぶっ飛ばされた先にあった木にもたれ掛かった状態にいた。
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