魔王の仲間になるもの悪くない筈だ
どうも、皆様はじめまして。
空 遥斗ともうします。
この度は私の小説、もとい駄作を読んで、または少しでも観覧して頂き有難う御座います。
元々、趣味で作ったものですので誤字脱字矛盾などあるかもしれませんがお許しください。
また、この作品は私個人の自己満足作品でありますのでお読みになる際は十分注意してくださいませ。
文法、文章、表現方法まだまだ素人ですので多めに見てくれれば嬉しいです。
アドバイスなどありましたらいただけると本当に嬉しいので、良ければお願いします。
―― 世界の半分をお前にやろう。
白くきれいな髪をなびかせたあいつ、世間一般でいう魔王は俺に唐突に交渉を持ちかけてきた。
仲間が動揺したように俺を見つめる。だが俺の答えは決まっているお前達を見捨てるわけがない。
世界を一緒に、此処まで戦ってきた仲間と救うのだ。
「俺はお前の仲間にはならない。」
俺はきっぱりと言ってやった、興味は無いと。
仲間達は俺の背後で安堵している様子。
だが、魔王は一人不気味に不適な笑みを浮かべている。
まるでこの結果を予想してた様に彼は笑っていた。
そして俺をもう一度誘う。
「私の仲間になれ、さすれば世界の半分と貴様に永遠の命をやろう。」
相手の先ほどとは違う勧誘内容に時が止まったかのように俺は固まる。心配したのか、仲間が全員俺を見ている。
こいつらを裏切るわけには行かない、俺の答えは決まっていた最初から、こんな所で此処まできてこいつの仲間に何て――
「お前の仲間になんt...。」
――かのように思われた。此処で俺は言葉を発するのをやめた。
魔王は口元に笑みを浮かべこれを予想してたかのように俺を見つめた。
古くから人の身に余る強さを持ち神の加護を受けた俺たち勇者の一族はひどく短命であった。
そして、俺は戦いが嫌いだった、だから必要のない戦いは避けてきたつもりだ、目の前の必要な戦いだけしてきた。
無茶な自己強化で体をボロボロにしてでもこの短期間で強くなった。
此処に来るのにも一年もかからなかった俺は最強の勇者として人類の希望となり人々に希望を与えた。
だが、俺は知っている、この体はもう長くは無い事を。
俺はもうじき死ぬのだと自分の死を理解していた。
もともと短命な上に無茶な強化で更に肉体に掛けたのだから其れは当然であり、必然であろう。
俺は勇者だが、同時に人間であるため当然死ぬのは怖い。
もし此処でこいつを倒せば俺は英雄として祀られるであろう、だが俺も暫くすれば死ぬ、人々は嘆き悲しむだろう...だがそれも極わずか。
いつかは俺という存在は忘れられ人々の記憶からは消える。
それを思えば彼の、魔王の提案は存外悪いものでもなかった。
俺は額に汗を流しながら唾を飲み込む、静かな空間にごくりと音が響く。
「わかった、仲間になろう。」
俺は首をたてに振って魔王を見つめた。
すると魔王は笑ったこれを、全てを予想してたかのように笑ったのだ。
仲間は動揺して声も出ないようだ。
俺は一歩ずつ彼の元へと歩みを進める、鎧の擦れる音が響く。
魔王は笑みを浮かべ手を差し伸べてきた、俺はその手を握っていた。
こうして、勇者最強といわれ人類の希望であった俺は魔王の仲間となった。