ある場所で
今回短いです。
あれ?ここ何処?
「ここは、世界と世界の狭間。貴方は選ばれたのだ…」
啓介は気付くと荒地に立っていた。
立花さんに倒されて、気絶したっぽいことは覚えてるけど、僕は何でこんな場所にいるんだ?
夢かと思い頬を、つねる。
案の定、痛く無かった。
何だ。夢か…
「…貴方にはこれから私と共に魔王を倒して貰いたい。報酬はどんな物でも払お…」
夢だと気づけたからこれは白昼夢という奴なのだろう。
夢なら何でもできるだろう。と試しに剣を想像する。何時の間にか手に剣を握っていた。
「…から、取り敢えずこの世界から私と出「おお!本当に出た!」
………ブチッ」
「私のこと、無視するんなー‼」
彼女の拳が啓介に刺さり、ドゴッ!と音がなる。
「いきなり何するんだよ/(T_T)\」
頭が数センチ凹んだ気がする。
まぁ、夢だから問題無いが。
「あんたが無視するからよ‼」
「突然こんな場所に着たら混乱するし、まず自分の状況確認を優先するじゃないか~」
「何言ってるの。毎日、ここに来てるじゃない」
「え?」
何の事だか分からない。
こんな場所初めてだって。
「まさか…覚えてない?」
「?何の事?」
「……グスッ……」
「うわっ!何で泣くの⁈」
やべっ!泣かせちゃった。でも本当に分からないんだよな。
しゃがみ込んだ彼女の背中を摩りながら、そう思う。
「……やっと、私を助けてくれる人が現れたと思ったのに…」
何だ。そんな事か。
「助けてあげるよ」
「…え…?」
「だから、助けてあげる」
困惑する彼女に手を差し出す。
「困ってる人を見ると、ほっとけない性格でね。どんな人でも必ず手を差し伸べることにしてるんだ」
彼女の手を掴んで立ち上がらせる。
「困った時は、僕を頼って?僕は君の力になるよ」
「……本当に?」
「もちろん」
「私が嘘ついているかもしれないんだよ?」
「それで、君の助けになるならそれでいい」
「何で…そこまで…」
思はず彼女を抱きしめる。彼女は震えていた。華奢な体を抱きしめながら、言葉を紡ぐ。
「君を守りたい。それじゃ、ダメかな」
「ううん。……ありがとう」
彼女が泣き止むまで抱き合っていた僕らは、その時の互いの状況がどれだけ恥ずかしいものかに全く気付かなかった。
取り敢えず、早めに彼女を出そうとしたら、こんな形になってしまいました。
恋愛系を混ぜ込んでみましたが、やっぱり難しいですね。
次回のバトル編で挽回します。