表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

運動場にて

今回急ぎ過ぎたかもしれません

よりにもよって彼女か…


僕が自分の運のなさに(なげ)いていると、彼女に笑われてしまった。


「ふふ、駄目よ」

「?何がです?」

「まだ子どもとはいえ女性(レディ)の前で溜息をつくなんて」

「いや、まぁ…そうなんですけど緊張しちゃって」

「あら、同年代なのだから敬語は無しにしましょ?」

「そう…だね。こっちの方が話しやすい。立花さんが相手で良かったよ」

「ふふ、私もよ」


はたからみれば仲の良い二人の会話に聞こえるが、実際は相手の隙を探す戦いが始まっていた。


この人、隙を隠すのが上手いな。と啓介(けいすけ)


この子の隙、凄く読みにくい。と(かえで)


どちらも対戦相手が自分にとってやり辛い相手だと理解した。



「それではこの区画(ばしょ)をいまから30分だけ異世界とつなげます。自分の能力の再認識をお願いします。それでは始め」


途端に色んな所で戦闘が始まった。自分の能力(ちから)で相手を潰そうとする者、言われた通りに確かめるだけにした者。様々だ。


「ねぇ、橋本君?」

「?」

「能力について詳しい?」

突然何だ?


始まって突然質問された事で動揺してしまった。

確かに能力についてはこれまで習って来たので知っている。


能力とは先天的なものと、後天的なものの二つがある。

先天的なものは、その人の願望を元にしていて、一人につき一つ。二つ以上は原則として持っていない。

対して、後天的なものは魔術や魔法と呼ばれ、身体に刻み込むことで使える様になる。刻むと言っても体を傷付ける訳ではなく、ただただ繰り返し使い、身体に術式を憶えさせるのだ。よって、(いく)つでも覚えられる。

そして、どちらも魔素(まそ)という物質で起こる現象だ。

先天的な能力は体内の魔素を、後天的な能力は体外(そと)の魔素を体内の魔素に繋げて使う。


「そう…詳しいのね」


僕の答えに満足したのか、楓は頷く


「つまり、もとから自分で持っている魔素の量で勝負は決まるってことよ」

「…それは、もう私が勝っている。と言いたいの?」

「さぁ?どうかしら?」


可愛らしく首を傾げながら彼女はゆっくり近づいて来る。先程(さっき)の質問は身体に魔素を行き渡らせるための時間稼ぎか…

彼女の策にまた驚かされる。


「それじゃ、行くよ」

「うん、どうぞ」


楓は魔素を解放した。

僕も急いで術式を組み上げる。


「よし!組みあ「遅いよ!」ぐへっ」


結局、間に合わなかった…。立花さん速いなぁ…。

そんな事を感じながら啓介は意識を失った。







気付(きづ)くと目の前が灰色だ。

いや違う。これは雲だ。空の色など見せないと言わんばかりに、分厚い雲が空を覆っていた。体を起こすと乾いた荒地が目にはいる。何処まであるのだろうか。終わりの見えない荒地がそこに広がっていた。

僕はこの場所を知っている。そう直感した。そして、自分がやるべき事もすぐに理解した。


「やっと来てくれたのね」

うん、またせてごめん

「うん、許してあげる。来てくれたから」

それじゃ、行こうか

「うん!」


僕は手を伸ばす。彼女(・・)を助ける為に。


そして門は開かれた

やっとバトルと思いきや、すぐ終わらせてすみません。

今回で彼女を出そうと思っていたので、こんな形になってしまいました。

バトルはクラス分け試験本番までお預けになりそうです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ