1.お前のためじゃない
誄と申します。
登録した直後に投稿してるのでほぼはじめましてだと思われます。
ぐちゃぐちゃですが頑張って続けようと思うので、アドヴァイス、応援があると嬉しいです。
苦情もバッチ恋!
「うーんと・・・」
私、こと北條 紀一は困っていた。現在進行形で物凄く困っていた。
両手にある視界が見えなくなるほど積みあがった二つの段ボール箱のせいで・・・。
今日は2/14,世間で言うバレンタインデー。兄曰く、お菓子会社同士の競争が激化する日。
学校へ着くと同時に一気にスクールバックがパンパンになって、靴箱からシューズが取れない状態で、机の中には教科書もはいらなくて、帰りには行き場なくあふれた色とりどりのソレで机の中も上も鞄も床も・・・・思い出しただけで気疲れする。
先生に許可を貰いわざわざ倉庫から大き目の段ボール箱を二箱頂いて、一個一個すきまなくしまい終わった頃には日が暮れていて、残っている生徒は練習量が比較的多い部活の部員くらいだった。
・・・なんで女子なのにこんな貰えるんだよ、というツッコミはしない。自分で分かっているし悲しくなるから。
要は、『ワタシが女らしくない』ってことだ。
むしろ、男っぽいとよく言われる。口調とか、性格とか今更直せないもののせいだろう。
あと無駄に高い身長。
まぁ、甘いものは好きなので迷惑じゃないけど。
そして今はいつも通り自転車に乗って帰ろうと、校内の自転車置き場まで来た所。
辿り着いて気が付いた。
「乗せられない・・・」
一箱だったらまだ荷台にくくりつけていけたはずだ。
「くっそぅ」
親は共働きで深夜にならないとどちらも迎えにはこれないし、頼みの綱のバイクを持つ兄は今日から夜間バイト。
「いっそ試すだけやってみるか・・・バランス感覚はあるほうだし・・・・・・」
くくりつけたダンボールの上にもう一つもおいて、よしっと気合を入れる。
「なにしてんの?」
後ろから声をかけられた。
「あ、せつ!!ごめん邪魔だよな!すぐどくから」
立っていたのはクラスメイトかつ小学生からの幼馴染の山代 せつ。家が隣で親同士も仲良い。
私はダンボールを落とさないようそーっと身長に自転車を端まで移動させた・・・つもりだった。
―ドサッ―
「ああっ!」
斜めになっていたのか、すーっと重力によってすべるように落ちていった。
ガムテープでふたを閉めていなかったので中身があたりに散らばった。
あわてて拾ってダンボールに再び突っ込みこんどこそ端によけた。
「・・・・・はぁ」
どうぞお通りください、と手で促すと何故かため息をつかれてしまった。
「・・・通らないのか?」
「・・・ん」
「?」
せつがいきなり両手をつき出してきたので首をかしげると、
「・・・一個運んでやる」
とぶっきらぼうに言われた。
「え?わ、悪いよ!重いし!かさばるし!」
人様に迷惑をかけるわけには行かない、ぶんぶん首を横に振った。が、
「その状態で人にぶつかったら逆に迷惑だろ・・・そんくらい解れ」
無理やり一箱取られた。
「あ・・・・そっか・・・・じゃあ、お願いします」
それから小さい方の箱を彼に預け、家まで運んでもらった。
「あ、そだ・・・」
ポケットにコンビニで買ったものが残っていることを思い出しごそごそさぐる。
「手出して」そういって彼の手にぽっけから出したものを握らせる。
「・・・何コレ」
「今日のお礼!・・・・と日ごろのお礼、」
「・・・・一個20円のチョコが?」
「いいだろ6つもあげたんだから!きなこもち超旨いし!!」
一袋9個入りで98円で売ってたけども・・・そのうち6個も上げたのは私の中では十分感謝の表れだ!
「・・・好きだね」
「もち、出会った時からコレはやめられんのだよ。
でも、ほんとありがとうな!助かった」
せつがちゃんとチョコをぽっけにしまってくれたのを見てから満面の笑みで言った。
「べ、べつにお前のためじゃないし!」
彼はそう捨て(?)台詞を残して隣の家に駆けて入ってった。
「私のきなこもち、大事に食べろよー!」
アトガキ的な・・・
1話目読んでいただきありがとうございました。
1日1から3話くらい書けたらなーとか思ってます。
チロルのきなこもちふまいです。むっちゃオススメ。
今更な人物紹介
01ヒロイン
北條 紀一 高1
呼ばれ: きい きっくん きいさま きーちゃん きーたん
性格イケメン顔も中性的でモテる、どちらにも。 テニス部
02ヒーロー
山代 せつ(やましろ せつ) 高1
呼ばれ: せったん せっつん せつ
ツンデレ 典型 であった頃ははツン×5くらいだった
紀一が女テニに入ったので男テニに入った。
結構一途。
名前は紀一のほうは戦国時代のあるカッコイイ女性の苗字と適当に思いついた名前で、せっつんは日本の地名をいじりました。