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2話 職安に最初からいけばよかった

理不尽だ



トリカジ「どういう事だ・・・おい」


何時ものように遅刻せずバイト先である書店に出勤

そこまでは良かった、そこまでは

店の扉に文字が書かれた紙切れがテープで張られている



『いままでありがとうございました』



つまり解釈すると閉店したという事だろう

閉店するのはまだいい、何故俺にそれを伝えない

昨日からむしゃくしゃする事ばかりだ

メールボックスはもう使えないし、隣人からは静かにしろと言われる


トリカジ「チッ、これからどうやって生活しりゃいいんだ」


次の働き口が見つからない限り

より生活がシビアになるのは確実だ

俺は扉を体当たりし無理やり開けた

店主の対応が最悪だったし別に罪悪感は無い

扉は鈍い音をたてて開いた

路地裏にあるので、人に見られる心配はない

トリカジは何でこんな所に書店を作ったんだろうと不思議に思っていた


トリカジ「あるわけないと思うが、生活に必要なものは持っていくか」


バイトをしていたせいで地形は分かっていた

書店は二階建てになっており、二階は店主の住家になっている

一階は本しかないので迷わず二階に行く

三ヶ月たった今でも義足で階段を上るのは辛い

痛みは無いが上るのに慣れないのだ

ボロアパートの時もそうだが、エレベーターが欲しいと毎度思う

俺は階段を上りながら昨日の事を思い出していた

メールボックスの相手は、どこかであった事がある声であった

確か女だった気がする


トリカジ「女だろうが馬鹿にしやがって」


名前と軍番号を知っているって事は内部関係者だろう

見つけ次第懲らしめてやろうと考えていると二階に着いた

思ったとおりだった、二階は空き部屋になっており

ほとんど何もなかった、俺は舌打ちをした



「おいこの扉開いているぜ」


「何だとあの野郎、トンズラしやがったな」



一階から2人組みの男が何やら話をしている

俺はとっさに伏せて観察した、見たこと無い顔だった


男1「おい俺は二階を見てくる、お前は一階を探せ!」


男2「うい分かりやした」


トリカジ「まずいな…どう見てもヤバめの連中だぜ」


戦闘になり義足のハンデがあっても勝てる自信はある

だが相手が銃を持っていたら危険である

俺は立ち上がり、やって来る奴の反対側の死角に隠れた


男1「店主いるならでて来いや!金を返して貰うぞ」


マジかよ、あの野郎借金していたのかよ

俺はベルトのバックルを外し近づいてくるのを待っていた


トリカジ「すまねえな」


男1「誰だおま…」


借金取りの首にベルトを回し、絞めた


トリカジ「殺しはしねえよ、前科着くとやっかいだからな」


男は気絶し、やっぱり銃を持っていた

何かに使えそうなので俺はそれを回収した

その後もう1人の奴にも気付かれたが同じように絞めた

殺した訳じゃないから、刑務所行きにはならないだろう

…多分

結局、銃だけ貰い生活に必要な物は

何一つ手に入らないままである

俺は職安でも行こうかなと思いながら書店を出た

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