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ランチタイム中の音楽

作者: WAIai
掲載日:2026/07/25

ランチタイムとなり、俺は彼女と席を合わせていると、音楽が鳴ってくる。


放送部の仕事で、ランチタイムにオススメの曲が流れるのだった。


「あ、この曲!!」


彼女が気づいて、スピーカーを指さす。

俺も気づき、手を止めて聴いている。


「わーい、わーい!!」


彼女は子どものようにはしゃぎ、ジャンプする。

一緒になって少しだけ歌うので、俺は笑いながら見守る。


「ノリノリなうさぎさんだ」

「それはそうよ。好きな人の曲だもの」

「その通り。いい曲だよな」


俺も指でリズムをとる。


「ライオンさんも分かるようになってきたね」

「それはそうだ。夜、よく聴いているから」

「そうなの!?」

「ああ。お前とスマホで話しながらも、コンボがかかっているし」

「全然、知らなかった」


がくりと肩を落とす彼女。

そんなにショックだったかと思うと、急に頭を上げてきて、聞いてくる。


「どの曲が1番好き?」

「そうだな…。あ、あれが良かったな。ドラマの曲」

「なるほど。どんなところが好き?」

「うーん、そうだな。普通はこう書かないだろうってことが、さらりと書いてあって、共感できるんだよな。音もCDが新しくなる度に、音が良くなるし」

「よく言った!!」


彼女は俺の両手を握りしめると、

「今から放送部、乗っ取ろうか」

と危ないことを言ってきた。


「やめとけって。スマホで聞くだけにしろ」

「ぶー。せっかく曲が流れたのにつまらない」


彼女がスピーカーを指すと、もう違う曲が流れていた。


「私としては、曲を全部、彼らにしたいのよ。分かるわよね、この気持ち」

「分かるけど、さすがに放送部をジャックするのは、まずいだろう? 大人しく昼を食べようぜ」


周りは弁当やラーメンなどを食べており、皆、にこやかだった。

しかも良い香りが漂ってくる。


親の思いがこもった弁当は、俺もそうだった。


「あ、唐揚げだ。お前は…?」

「私はそぼろご飯。ひき肉と、卵と、桜でんぶ。綺麗でしょう?」


彼女が弁当を見せてきて、俺は「へえ」と言う。

花畑みたいな見た目の可愛さ。


彼女は蜂になった気持ちで、蜜を吸っていくのだろうか。


「悔しいから、スマホを鳴らしてもいい?」

「曲を聴くのか? 食べてからにしようぜ」

「もう!! それじゃあ、意味がないの。楽しい時間を作るから、美味しいんじゃないの」


彼女に言われ、俺は心中、戸惑っていたが、彼女が本当に放送部をジャックしうな勢いなので、許可を出す。


「分かった、分かった。好きにしろ」

「やった!! えっとね…」


彼女は選曲すると、優しいけれど、芯の強さを感じるボーカルの声が聴こえてくる。

それを支える周りの楽器。


優しくて、強くて、逞しくて。


音楽を流しても、誰も文句を言わなかった。


「いただきます」

「いただきます!!」


2人は曲を選びながら、食事を進めていくのだった。

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