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物語の始まりは

ありふれすぎているストーリーです。

違う作者様と内容が被ってしまっている可能性がありますが、盗作などは一切ございません。

しかし気になることがあればどうぞ御一報下さいませ。



おやおや、ルチアじゃないか。どうしたんだい、そんな怒った顔をして。


なるほど、いじめっ子のアントンが君のソバカスを馬鹿にしたんだね。

胡椒でも塗ってきたのかって言われたのかい、そりゃヒドい言いようだ。


でもルチア、君も黙ってやられちゃいないだろ?


あぁ、やっぱりね。


いいえ砂よ、って言ってアントンを砂場に沈めって来たって、そりゃまた豪快だね。


アントンはいつも突っかかってきて意地悪ばかりするから大嫌いって?


でもね、ルチア。

アントンは別に君のことを嫌いでそう言ったんじゃないと思うよ。


まぁまぁ、憤慨さずに。このお話を聞いたらきっとなぜアントンがそう言ったかが分かるさ。

あぁ、きっとだよ。


あるところに、エミーという女の子がいたんだ。

彼女は小さい時から少しふっくらしていてそれは愛くるしくてね、太陽のように金色に輝く髪と芽生えたばかりの新緑のような瞳、それに真白い透き通るような肌をもった子だったよ。

ただほっぺたにはソバカスが散らばっていてね、でもそれさえ彼女をチャーミングに見せていたんだ。


そんな彼女には幼なじみがいて、レイって言うんだけどね。

彼はそれはそれはイタズラ好きのやんちゃっ子でね、でも要領はよくて頭の回転もはやい、しかも面倒見がいいもんだからすっかり子供達のリーダー格になったってわけさ。


この二人が小さい時はとても仲が良かったんだ。いっつも二人で冒険に行ったり、本を読んだり、花冠を作ったり…ずっとずっと二人きり。



エミーは何の疑いも持っていなかった。

変哲のない日々の中、レイと何時までも幸せにいられるという幻に、ね。


彼らの幼い関係がいつからか変化してしまったことに気付いた時には、レイは手の付けられない悪ガキになっていたし、その隣に立つ子はもう自分じゃなくなっていたんだ。



その関係性が明確に失われたのは、そうだね調度君達と同じ年ぐらいだったと思う。

疎遠になっていたからと言ってエミーは相変わらずレイのことを友達だと思っていたんだよ、ただ徐々に表れる男女の隔たりやレイの周りに集まっている積極的な性格の女子に張り合えるほどエミーは活発な女の子ではなかったんだ。


何日、何週間、何ヶ月少しずつレイと一緒にいれなくなって寂しくは思ったけど、文句を言う気丈さも泣きつく勇気もエミーは持ち合わせていなかった。



そんなある日のことだった。


エミーは聞いてしまった。

偶然と言ってしまえば余りにタイミングが良すぎるぐらいだったけど、みんなの前で、レイが、自分のコトを悪し様に罵っていたのを。


『本ばかり読んでいる根暗女』

『一緒にいても何も楽しくない』



『太りすぎた顔に浮かぶソバカスが気持ち悪い』



エミーは耳を疑った。


だって、レイだって本を楽しそうに読んでいたわ!

だって、いつも口を大きく開けて笑ってばかりいたじゃない!!

だって、だって、エミーのほっぺたは触ると気持ち良いし可愛いって言ってくれたのに!!!


それは幼い日のほんの些細な出来事だったけど、エミーを深く傷付け自信を失わせるのには十分だった。

そして同時にエミーの清く澄んでいた心に一滴の黒い染みがこびり付いてしまった。



それからのエミーは心を閉ざして、もう二度と誰にも笑顔を見せなくなってしまったんだ。


もちろん、レイなんて以ての外。彼を見かける度に憎悪にも似た恐怖がわいてきてすれ違うことさえ避け続けていた。



だから、知らなかった。彼が、レイがどんな顔をして自分を見ているのかさえ。



そうやって過ぎた5年後、エミー16才レイ17才の春に物語は再度始まる。




さぁ、ルチア。

どうする?続きを聞きたいかい?


え、こんなとこまで話しておいてズルいって?


あぁ、確かにそうだね。だってワザと気になるように話を終えたからね。


まあまあ、話すとまだまだ長いんだ。後は私の記憶を夢で見せてあげる。

だから今日はもうお帰り。



ああ、優しい子だね。

だが、風邪なんかひかないさ。

なんたって私は皆を見守る者、だからね。




こちらも不定期更新になります。

どうぞ気長にお待ち下さいませ。



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