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復讐の果てに  作者: 暦海


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35/46

何してんだろ、私。

「――いやー聞いてよ優月ゆづき。昨日、練習試合だったんだけど……もう、ほんとミスの連発。チームにめっちゃ迷惑かけちゃって……これじゃ、せっかく取ったスタメンも剥奪かなぁ」

「……そ、そっか……いや、でもほらそんな日もあるって! 大丈夫、そのくらいでスタメン外されたりしないよ!」

「……うん、ありがと優月」



 それから、一週間ほど経て。

 すっかり空が朱に染まる頃、テーブルに凭れガッカリした様子でそう口にする親友、美波みなみ。それでも、悲壮感とはまた違う明るさが窺えるのは流石だと思う。


 さて、私達がいるのは以前一緒に行ったあの路地裏のカフェ。今回も彼女から呼ばれたのだけど、どうやら気に入ったみたいでまたここにしようと。私も気に入っていたので、もちろん異存などなく。きっと、私達二人にとって今後定番になるのだろう。


 ところで、今日も以前みたく美波の部活後にこうして会っているわけで。流れや内容も前回とほぼ同じ――数十分前、話したいことがあるとの連絡があって。尤も、以前と違い少し逡巡したものの、最終的には承諾の意を示した。


 ともあれ――昨日の試合の話から始まり、最近の驚いた出来事の話など種々の話題に暫く花を咲かせる私達。やっぱり、美波と話すのは楽しいなと改めて思う。自分自身、あまり話せるタイプではないけど、美波となら何時間でも――



「……それでさ、優月。何か、余計なこと言った? りょうに」



 楽しい会話の最中さなか、ふと切り出された美波の問いに口を結ぶ。……余計な、こと。些か漠然とした問いに、ひとまず口を開き――


「……佐伯さえきくんが、そう言ったの?」

「ううん、陵は何も。そもそも、ここ最近あまり話自体できてないし」


 そう尋ねると、首を横に振り答える美波。……まあ、そりゃそうだよね。余計なこと、というのは間違いなくあの件――私が彼に美波を推した、あの件のことだろうけど……口止めなどせずとも、彼が自主的に伝えるとは思えない。だとしたら、やはり――


「……でも、その返答……本当、だったんだね」

「……それは」


 すると、そんな思考を遮るようにじっと私のを見て告げる美波。今まで一度として覚えのない、ありありと憎悪の籠もった瞳で。そんな彼女を前に、改めて自身の愚かさを思い知り……はぁ、何してんだろ、私。




 


 

 

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