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復讐の果てに  作者: 暦海


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30/46

……うん、流石は先輩。

 ともあれ、一戦目はウォーミングアップ及び適切なハンデはどの辺りか測るためとのことで勝負はなし。ちなみに、かのマイボールに関しては文字通り先輩のボールであり、私には合わないだろうとのことで貸しては頂けないよう。まあ、ハンデはそこも含め設定してくれるのだろうけど……うん、なんか釈然としない。



「――さて、まずはお手並み拝見といこうかね」


 すると、開始の合図とばかりにそんなことを宣う浦崎うらさき先輩。やはりと言うか、余裕綽々といった笑みが少し鼻につくが……うん、冷静に、冷静に――


「……あっ!」

「……ありゃ、残念」


 卒然、大きな声を発する私。そんな私の結果は……まあ、お察しかもしれないけどガターで。……いや、まだまだこっから!



「――さてさて、どうストライク取ろっかなぁ。やっぱり王道のストレート? それともお洒落にカーブ? それとも――」

「……なんでも良いので、早くお投げになったらどうですか?」

「うわっ、つれないなあ優月ゆづき。まあ、それでは――」


 その後、2回の投球を終え先輩の番に。ちなみに、2投目は6、9、10番ピン――即ち、右側の3ピンという結果で……うん、何とも反応に困る。


 ともあれ、こちらもお手並み拝見。言ったからには、ストライクとは言わずともそれなりの結果は出してもらわなきゃ――


「……ん?」


 そんな思考の最中さなか、ふと声が洩れる。うっかり見惚れる綺麗なフォームにて、先輩の右手から放たれたボールが左方向へと一直線……あれ、これガターじゃない? おっと、あれだけ大口を叩いておいてこの結果は如何なもの――



 ――ギュイン。

 ――カランカランカラン。


「――よし、宣言通りのストライク!」

「なんか今変な曲がり方しなかった!?」




「……えっと、今のは……」


 そう、唖然と呟く。……いや、完全にガターコースだったよね? それが、なんか溝に入らんとする直前、ギュインと45度くらい右に曲がって1と2番ピン――先頭とその左斜め後ろのピンの間に当たり、見事ストライクを……えっと、どういうこと? いや、もしかすると私が知らないだけで、わりと普通にあるじゅ――



「……ふふっ、驚いたようだね優月。これぞ、私の最終奥義――人は、これを『真歩真歩まほまほスペシャル』と呼ぶ」

「いやダッサ!!」


 いやダッサ!! 誰が言ってんのそれ!? あと、出すの早いよ最終奥義!! まだ序の序なんですけど!?


 ……ただ、それはそれとして……うん、流石は先輩。よもや、そんな恥ずかしネタをこんな誇らしげに話せるなんて。







 





 

 

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