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復讐の果てに  作者: 暦海


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……ねえ、先生。

「――お待たせ致しました。本日、特別企画にてカップルのお客さまに無料でお飲み物を提供しております」

「……へっ? あ、いえ僕らはカップルではな――」

「ああいえカップルです! いやーすみません照れ屋なんですこの人!」

「……あ、はい畏まりました」


 それから、20分ほど経て。

 映画館の受け付けにて、店員さんの案内に戸惑った様子で答える先生をピシャリと遮る私。いや正直か! 別に証明とか要らないんだからカップルってことにしとけば良いの! ……まあ、そもそも証明も何もないんだけどね。文字通り、二人であれば普通に適用される制度なんだし。



 ともあれ、頂いた飲み物と購入したポップコーンを手に劇場シアターへ。それから、指定の席――上下左右、ともに真ん中辺りの席へ。うん、中々に良い位置だ。


 それから数十分後、上映開始。内容は、教師と生徒との恋愛ものとのこと。そう言えば、そういうのわりと好きだったよね、美波みなみ。でも、佐伯さえきくんと観に行くなら学生同士の恋愛ものの方が……いや、いいか。私が口を出すようなことじゃないし。


 ただ……うん、ちょっと気まずい。美波からもらったというのは伝えているから、私が選んだとは思われないだろうけど……うん、まあそれでもね。



 ともあれ、展開は進み――放課後の教室にて、教師と生徒が二人きり。そして、まさに今、女子生徒が男性教師へ思いの丈を告げようと……うん、見てるこっちも胸が―― 



「…………へっ?」





「……その、何と言うか……少し、予想外の展開だだったね」

「……うん、ほんとに」



 それから、一時間ほど経て。

 すっかり茜に染まる空の下、何処かふわっとした状態でそんなやり取りを交わす私達。何の話かと言うと、もちろん映画について……うん、よもやあんな展開になろうとは。


「ところで、優月ゆづきちゃん。今日の夕食はどうしようか。たまには、外食でもど――」

「……ねえ、先生」


 少し歩みを進めた後、徐に切り出す先生の言葉を遮る形で呟く私。すると、穏やかに微笑みどうしたのと聞いてくれる先生。そんな彼のをじっと見つめ、ゆっくりと言葉を紡ぐ。



「……ねえ、先生は――誰かに、復讐したいとか思ったことある?」





 









 

 

 

 


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