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復讐の果てに  作者: 暦海


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ちょっくら本気出そうかな?

「――わぁ、見て先生! トマトが1個20円だって!」

「うん、良いね。それなら、今日はミネストローネとかどうかな?」

「うん、最高! 私も一緒に作るね」



 青果コーナーに到着するやいなや、弾んだ声でそんなやり取りを交わす私達。そこには、種々の色良い野菜や果物が所狭ところせしと並んでいて。

 そして、とりわけ目を惹いたのは真っ赤に熟れた数多のトマト。うん、最高のミネストローネになりそう。


 それから、トマトに加え破格のキャベツやタマネギなどを多めに購入。その後も、掘り出し物を見つけるべく回っていると――


「……おや?」


 ぐるりと構内なかを巡っていると、目にしたのは立錐の余地もないほどの人、人、人。本日の目玉商品か何かだろうか? ともあれ、すみませんと声を掛けつつ群衆の中を進んでいくと――


「…………へぇ」


 そう、ポツリと声を洩らす。開けた視界に映るは、何やら透明な袋に色とりどりの何かを懸命に詰めていくお客さん達。……えっと、あれは――


「……あれって、マカロンだよね? へぇ、こういう詰め放題もあるんだね」

「……うん、私も初めて見た」


 すると、いつの間にか隣に来ていた芳月ほうづき先生。まあ、私達が知らないだけでそんなに珍しくないのかもしれないけど、少なくとも私は初めて目にして。……まあ、それはともあれ――


「――やってみたい? 優月ゆづきちゃん」

「へっ? あ、でも私、そんなにマカロン好きじゃないし、それにお金も……」

「ああ、金銭それなら大丈夫だよ。それほどの出費でもないし。それに、僕も見てみたいし。優月ちゃんが、一生懸命マカロンを詰めてるところ」

「……なに、それ」


 そう、少し悪戯っぽく微笑み告げる芳月先生。学校では見せないであろう、何処か子どもっぽい笑顔に多少なりとも優越感を覚えてしまうのは、やっぱり性格が悪いのかな? まあ、それはともあれ――


「――それじゃ、ちょっくら本気出そうかな?」




 

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