ああ、あたしの人
子供専門店に行った。
みったんにとっても、馴染みのあるお店。
ここへ来ると、我が物顔だ。
親の傍を平然と離れ、気に入った物を物色する。
親としては、商品を傷つけないかと、冷や汗ものだ。
だが、じっと親の傍に居させるのは、至難の技というもの。
みったん以外にも、同じ事をしている男の子を発見。
みったんと同じくらいか、1つ上といった感じか。
意気投合したらしく、2人で玩具を物色する。
ぴったりと寄り添う様は、小さな恋人みたいだ。
悲しいかな?
どんなに仲良くなろうと、親の都合で呆気なく終わるのが、子供の性。
買物が終わった母親に手を引かれ、店を出る男の子。
心なしかみったん寂しそうと思ったが、
それは親の感傷にすぎないらしい。
何事もなかったように、玩具を手にして物色する娘。
子供専門店を出て、古本屋へ行く。
親が本好きなせいか、本屋に行くと、テンションがあがる娘。
児童コーナーに行くと、
おや?
先ほどの男の子?
みったんと私、立ち読みしている男の子の後ろ姿を凝視。
違う。
恰好は似ているが、背丈が全然違う。
こちらが、高い。
顔は…完全に別人だ。
そうだよね~、そんな偶然ないよね~。
「みったん、人違いだよ」
と言うとして、
遅かった。
後ろから抱きつく、みったん。
男の子の、驚く声がこだました。