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病院にだまされない  作者: 虎巻 解
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はじめに

 医療費が年々高騰し、国家予算に占める医療費の負担増加が止まらないというニュースをよく目にされると思います。医学研究の進歩により、平均寿命が伸びる一方で、加齢に伴い罹患率が上昇する認知症や悪性腫瘍に対する新たな治療薬が開発されています。新たな治療薬は従来の治療薬に比べて価格が高く、一年間に要する治療費が1000万円を超えてしまうような治療薬も出現してきています。このような状況を考えると、今後も医療費はますます高騰してゆくことが予想されます。

 長生きは喜ばしいことで、治らなかった病気が治療できるようになることも喜ばしいことなので、医療費が高騰するのは仕方ないという考えもあります。しかし、治らなかった病気が治療できるようになって寿命が伸びているのかを問い直してみる必要があると思います。

 資本主義社会とは、経済が第一に優先させている社会であると思いますが、医療もこのような経済活動の一翼を担っている分野です。医者や病院は患者さんの生命を守るために医療を行っていると同時に、経済活動としても医療を行っているのです。医療とは、彼らが損しないように行われていることに注意が必要です。医療関係者が、「治らなかった病気が治療できるようになって寿命が伸びている」と喧伝しても、彼らが儲けるために、そのように喧伝しているかもしれないと考えてみる必要があります。

 「治らなかった病気が治療できるようになった」といっても、感染症のように病原性細菌に起因する病気なら完治できますが、ほとんどの病気は完治することは難しく、病気による症状を緩和できている状態を治療したといっているのが現状です。緩和状態を維持するには治療の継続が必要な場合も少なくありません。寿命が伸びても、伸びた寿命の内容が、健康に自由に行動し使える時間が増えたのと、病院に入院して生命維持装置に繋がれて意識もない状態にある時間が増えたのでは、全く異なります。寿命が伸びても、後者の時間が増えただけならば、そのように寿命を延ばす意味があるのかを考える必要があると思います。さらに、治療による副作用を含めた費用対効果を考える必要があります。ほとんどの新薬の長期にわたる副作用は不明で、安易に用いるととんでもないしっぺ返しを喰らう可能性もあります。

 ほんとうに必要な医療とは何かを考えて、病院にだまされないで、有意義な人生を送る方法を考えてみたいと思います。


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