平穏は続かない
ノモは突如現れた赤い少女そっくりな女性を探しに今日も星を探索していた
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(アーサー)「ノモ様〜!お〜い!私も連れてってくださいよ〜!」
「ゲッ!あいつ懲りないな〜」
(アーサー)「ちょ!逃げないで!!」
ヒュン----
(アーサー)「あーあ、今日も一人で行っちゃった・・・」
(アーサー)「あの人がどこに行ったのか毎回探すの大変なんだけどな〜」
ーー先日、ノモが赤髪の女性を追いかけていた日ーー
(ユニ)「おお〜!ちょうどいいところに来た!アーサー!こっちこっち!!」
(アーサー)「ちょっと、探しましたよ社長!」
(ユニ)「君に頼みがある」
(アーサー)「なんです?」
(ユニ)「私の代わりに君がノモを見てくれ」
(アーサー/ノモ)「いいんですか!!?/はあぁ!?あんた何言ってんの!?」
(ユニ)「いくらクローンだからって、私にも役割があるんだ。それを全うしてないと入れ替えられるからね」
「入れ替えられる?」
(ユニ)「クローンの次はいつでも待機してある状態なんだよ。本人と同等の仕事量をこなせないクローンなんか必要ないからね」
「お、おお」
(アーサー)「社長は社員よりもはるかに大きな社会の歯車ですからね」
「歯車ってのは残酷だなぁ〜」
(ユニ)「慣れさ」
(ユニ)「じゃ!そういうことで〜」
ユニのクローンはタイミングよく来た無人機に乗ってどこかへ飛び立ってしまった。
あれから私は毎日アーサーという男に付き纏われている。こいつは私を不当逮捕した銀河警察の息子なんだぞ。そんな奴そばにおいておいたら何されるかわかりゃしない!
目につかない場所を選んで何度も移動するのも最近めんどーになってきた。あいつ邪魔だからどっか地下に拘束しとこうかな。(既に3回やっているが、全て脱走されている)
私は居住区星[ベータ]にいた。
探してないのはあと、ここと発電星という星だけ。
あれから、赤髪の女性は見ていない。咄嗟の逃げも隠れも上手な彼女が本気で隠れられたら厄介だ。時間をかけずに見つけるつもりだったけど・・・。無理だな。星がデカすぎる。
やたら滅多にでかい家ばかりが活版印刷されたように立ち並んでいる。綺麗に区画分けされているのを見ると将棋やチェスの碁盤のようだ。
黒と白の屋根が交互になっているところはオセロのようにも見える。と思って降りてみたら本当にオセロという区画名だった。(意外とネーミングセンスは庶民だな)
私は、ドラゴムーブを使って姿を隠しながら探している。無色透明になれるこの機能めっちゃ使えるんだよね〜。風呂入りたい時とか誰かに見られたくないしこんな傷跡。(覗きになんか使ってないからね)
一応居住区だし、いきなり銀河一の犯罪者が自分の住んでいる街を彷徨いていたら怖いだろう。私なりの配慮だ。感謝しろよ全く。
そういえば彼女、社員表に載ってないって言ってたな。なら、居住区になんていないんじゃないか?
社員表に載っていないような奴が家なんて娯楽品建てられるわけないだろうし、居住区なんて贅沢品持てないだろう。載ってない=住めないんだから。
なら、もっと人が住んでない・・・。いや、住みたくないような場所か?下水とかトンネルとか都市開発で埋め立てられる予定だった空洞とか配管とか。ん〜考えれば考えるほどそっちな気がしてきたな。落ち着いて考える時間が誰かさんのせいで取れないからはやとちりしてたのかも。
あ〜も〜!!
はぁ。
一応もうちょっとこの星探してから彼女を見かけた工場星[アルファ]に戻ろーかな。
(アーサー)「お〜い!やっと見つけましたよ〜!もう!」
「ゲゲっ!!もう来やがった!てかなんで私が見えるんだよ!?透明化してるはずなのに!?」
特殊能力でも持ってんのか?このアーサーって奴!?クソ!そんなのどうでもいいから早く逃げよ!
バ!!ヒュー!!!
キーン!!!!
(アーサー)「嘘・・・。あ"ぁ"〜!!!!また逃げられた〜!!!!!!!」
(アーサー)「でも、あのゴミを見るような目つき。良い」
アーサーは変態である。(ノモに対して)
はあ。。。
あいつなんであんなにすぐ私を見つけられんだよ!透明化の機能はレーダーにもサーモグラフィーにも見つからないってのに。直感か?それとも・・・。
いや、考えるのやめとこ。ブルブル
なんか嫌な想像をしてしまったせいで悪寒が背筋に走った。
よし、まずは見つけたあの場所から行ってみるか!
私は彼女を見かけた最初の場所。白くて四角いソフトクリームのような工場がある場所へ向かった。




