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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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発明家「コード」

(コード)「ただいま〜ヴィン」

(ヴィン)「おかえりなさいませ。(マスター)」(機械っぽい声)

(???)「おかえり〜!!ドクター!」(子供の声)

(コード)「おっ!ただいま!チー!いい子にしてたか!?このこの!!」

(チー)「あはは!!ドクターやめてよ!!わきツンしないで〜!」

(ヴィン)「お疲れのようですね。主」

(コード)「あ、ああ。犯罪者に追われてたんだ」

(チー)「ぅん?」


チーが私の局部あたりに顔を埋めながら上を向いた。


(ヴィン)「噂の()ですか・・・」

(コード)「あんなの神なんかじゃねーよ。ちゃんと人間。ちょっと可哀想な」

(ヴィン)「・・・」

(コード)「それより、飯の支度はできてんのか?ヴィン?」

(ヴィン)「はい。もうすぐ出来上がりますので、手を洗ってきてください」

(コード)「ほーい。行くぞ〜チー!ウイーンガシャん!はっしーん!!!」

(チー)「キャー!あははは!」


肩車で合体し、手洗い場まで移動する。と言ってもめちゃ狭いこの部屋ではすぐそこなんだけど。


私は非正規社員の発明家だ。カッコよく言っているが、ただ余った在庫をくすねてガラクタばっかり作ってる未登録社員なんだけどね。ここには不法滞在だから、バレたら即刻地元の星へ強制送還される。この子のためにもバレないように活動して、どうにか銀河一の便利道具を作り出して見せる!


私が作った中で一番有用なものは外に出る時はいつも着ているこの光学迷彩服とブーツ。外に出て少し時間が経つとゆっくり周りの景色に溶け込んでいく優れ物だ。でも溶け込むために10分じっとしてないといけないんだけど・・・。


それを解決するためのブーツだ!


このブーツは使用者の潜在能力を限界まで引き出すことができるブーツだ。私は元々走るのが早い(逃げ足が早いだけ)からさらに早く走ることができる。通常の10倍のスピードで走ることができるのだ!(時速300km程)


って。


鏡に向かってずっと誰に説明してるんだ私。手を洗い終わったチーが不思議そうにこちらを見ている。恥ずかしい。こういう時は大人ぶるのが一番。



私は咳払いをして喉をガラガラと、うがいしてみせた。帰ってきたらうがい手洗いだ。ということを教える程にしておこう。どこにも出かけていないチーも私を見習ってうがいをし始める。


よしよし。



(ヴィン)「いつまで手を洗っているんですか?冷めますよ」

(コード)「あぁ〜!わかったわかった〜」

(チー)ガラガラガラガラガラガラガラガラ

(コード)「行くぞーチー!急がないと〜電気消しちゃうぞ〜!!!」

(チー)ペッ!!

(チー)「うわ〜!!!キャハハ!!」

(コード)「待て〜!!」

(ヴィン)「遊んでないで、座ってください」

(コード/チー)「ほーい」

(ヴィン)「ますます似てきましたね。お二人」

(コード)「そー?」

(チー)「ほんと!?ほんと!?私ドクターみたい!?」

(コード)「私みたいにまだまだ頭良くないだろ〜!?」

(チー)「そんなことないもん!今日もビンに字教えてもらったし〜本も読んでもらったもん!」

(コード)「へ〜!すごいじゃ〜ん!」

(チー)「でしょ〜!早く頭良くなってドクターのお手伝いできるようになるもん!」

(コード)「もぉ〜〜!!!チーは偉いな〜〜〜!!!!」ゴシゴシ

(チー)「痛い痛い!ドクター!!!!」

(ヴィン)「ごはんがこぼれます。戯れてないで早く食べてください」

(チー)「怒られてんの〜」

(ヴィン)「う・・・」



ご飯は質素な物だが、育ち盛りの子には栄養バランスの取れたメニューだ。嫌いな食べ物がほぼ全般入っている私は毎日我慢して食べている。チーにバレないようにするので一苦労だ。チーの中では私はナイスバディなクールなお姉さんに写っているはずだ。


ちなみに今日のメニューも全部苦手。野菜たっぷりのミルク煮とかったいパン、ゆで卵。


まず、私は野菜全部が苦手だ。肉の方が好きだし、魚はもっと好きだ。固いパンよりも柔らかい食パンの方が好きだし、咀嚼が面倒だからお粥のようなものの方が楽だ。

ゆで卵も口の中がモサモサする。何か調味料が欲しいけど、この前、塩分の取り過ぎだとヴィンに叱られたばかりだ。


前の私の食生活はそれはそれは理想的だった。

3種類もあるゼリー飲料を発明の合間に一瞬で済ませてそのまま発明し続ける夢のような生活を10年くらいしていた。


そろそろ体に影響が出るかなと思い作った家政婦が口うるさい。オカンみたいな奴を作ってしまったせいで、私はしっかり無駄に栄養たっぷりな食事を取らされるようになった。お腹が空くというのが鬱陶しく感じる奴はこの星連中だと結構いると思うんだけど。



食事が終わり、奥の発明室へこもってブーツの改良を行う。


これを作ってから初めて追いつく奴が現れたからもっと潜在能力を引き出せるように改良しないと。いつかアイツに捕まりそうだ。


全く。


私たちの生活を脅かすなんて許さん。あの犯罪者。神とか悪魔とか言われてるけど、ただの人間だったし。機械生命体と融合しようなんて考える奴が今までいなかっただけだ。そんな()()()()誰もしない。


とにかくこれを今の性能の倍は出せるようにしないと、、、

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