見覚えのある面影
私は工場内を見学し、久しぶりに興奮した。
学園時代、真っ直ぐ家に帰っては電子雑誌でひたすら宇宙船を見ていた私には夢のような場所だった。
ぐるりと一周見ていると、地上10階あたりの渡り廊下からこちらを見ている赤髪の女性がいた。どこかで見たことあるその面影をじっと見ていたが、目が乾燥してきて我慢できず瞬きをしてしまったらいなくなっていた。
「ねぇ。ここで働いている赤髪の女性って名前何?」
(ユニ)「赤髪?そんな派手な髪色の技術士なんていたっけな」
「さっきあの辺でこっちをじっとこっち覗いてたんだよね。どこか見覚えがあった気がするんだけど」
(ユニ)「赤い少女か?」
「いや、彼女はもう少し幼かったから多分違うと思う、、、」
(ユニ)「うーん、、、会社の社員者ログを確認してみるよ」
「急いで?」
(ユニ)「・・・」
(ユニ)「やはり、いないy、、」
返事を、待ちきれず私は大きな振動を起こさないように静かにジャンプして中央の枝分かれした管を足場にしながらさっき女性がいた階まで向かった。が、そこにはもう女性はおらず、視界には私を見て驚いている間抜けずらな技術士しかいなかった。騒ぎが大きくなる前に下へ飛び降りた。技術士たちは飛び降りる私の姿を追いかけるように下を覗き込んでいる。
すると、覗いきこむ際に勢いがセーブできなかったのか、体勢を崩した何人か上から落ちてしまった。
下に辿り着いていた私は、すぐさま体の向きを変え、落ちてくる彼らを受け止めに行った。3人中2人は落ちてすぐ助けられたが、残りの一人は地面すれすれのところだった。私がクッションになるよう滑り込んでいなかったら大事になるところだった。
転落した彼らを一応、医務室へ運んでもらった。すぐさま医務用ロボが担架を持って現れ、乗せて行った。
周りの技術士たちは人助けをした私が信じられないのだろうか、傍観していた。まあ、世間では銀河一の犯罪者というふうに報道されているから恐るのも無理はないか。
ユニが救助した私に向けて拍手をし始めると、パラパラと拍手が共鳴していく。残念ながら拍手喝采ではないが、、、
(ユニ)「よく間に合ったな〜!!!ありがとう!うちの技術士たちを助けてくれて」
「いや、私が急に上までジャンプしたから驚かせちゃったんだと思う」
(ユニ)「そうか、、、まあ、今後そういう事は自重するようにな」
「はーい」(そんな気は無い)
(ユニ)「・・・」(しないだろうな)
ユニから賞賛されつつ、行動を自重しろと注意を受けていたとき、ユニの背後にある扉の影からさっき上で見た赤髪の女性がこちらをのぞき見ていた。私がそっちに気がつくと、またいなくなってしまった。
「いた!!おい!!待て!!」
初めて人助けをした高揚感で少し反応が遅れてしまった。すぐさま扉の向こうにいた赤髪の女性を追いかけに行ったが、扉の向こうにはもう誰もいなくなっていた。急に飛び出してきた私に驚いた男性二人は尻餅をつきつつ怯えていた。邪魔な彼らの頭上を飛び越え、すぐそこの角を曲がったがやはり誰もいなかった。
優しくジャンプして上空から探してみるが、見つけられなかった。私の目から逃れられるなんて、、、
逃げが上手いってことは相当な手だれだな?
(赤髪女性視点)
(赤髪の女性)「なんであの犯罪者、私を追いかけてくるの!?怖!」
「てかなんで私の姿が見えんのよ!?私の力作が通用してないってこと!?対赤外線機能付きの光学迷彩服で隠れてるってのに!」
「スピードブーツがなかったら危なかったわ・・・」
とりあえず、一回ラボに戻ろう・・・
ぼすっ・・・
(アーサー)「うお!?」
(アーサー)「な、なんだ、、?ってあれ?何かぶつかった気がしたんだけどな?」
(アーサー)「それより、ノモ様はどこに・・・?」
(ノモ視点)
ユニが息を切らしながらこちらへやってきた。コイツ運動不足か?
(ユニ)「ちょ、、ハア、、、急にどこまでいくんだ、、、ハア、、、ノモ」
「赤髪を見つけたんだ!」
(ユニ)「ちょ、、ハア、、、で、、、どこにいたんだ、、、ハア」
「扉のとこからこっちを見てたから追いかけに行ったんだけど、、、」
「ってアンタ息切れしすぎ」
(ユニ)「無茶言うな、、、10kmを全速力で走ってきたんだぞ、、、 ハア」
(ユニ)「これでも、、社内体力測定では常に1位なんだからな、、、」
10kmを数分で走ってこれるって事は、体の一部を改造してんな?やってるわコイツ。
そこまでして社内体力測定で1位になりてーのかよ。
(ユニ)「言っておくが、体力測定で一位になりたいからカスタムしてるわけじゃあないぞ」
「あっそー」
そんなことどうでもいい。それよりあの女性はどこに行ったんだ・・・?
逃げるってことは何か隠してるはずだよな・・・




